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吸血 88 ページ46

リトside

ああくそっ!俺がもたもたしてるから吸血鬼に跡付けられた!気付いてはいたが結界まで張られているとはな。余程大事なのだろう。

だからAをデートに誘った。ルイが来ることも隣の部屋で盗み聞きすることも分かってて告白した。Aは鈍感だから気付いてくれなかったけど。

更に吸血鬼はAが体調不良になるまで血を吸いやがった。保健室で早く治せよと気付かないフリをした俺に、Aは頷いた。

苦しくなった。俺はAを裏切らなければいけない。こんなふうに信頼を寄せられているのに。

早く落とさなければ。最近のAは三虎センセーや天鬼先輩とも仲良くなっているから。何でもいい。距離が縮まればそれでいい。Aを落とせばこんなに苦しまなくて済むのだから。

これまたタイミングを見計らっていたように政府からある命令が下された。そう、『同族殺し』だ。誰か一人を好きに出来る。Aを俺の傍におくことが出来る絶好のチャンスだ。

でも、

同族を殺す。家族を殺すことと同じだ。Aの感じた感情と同じ思いをする。そんな苦しみを感じても、俺はAのために家族を殺せるだろうか。

初めて家族を殺した時、罪悪感を支配した。でもそれより、Aと二人きりになれる嬉しさがあった。自分自身に笑ったよ。

告白の時、俺を選んでという言葉は泣いていたと言う。それはAが選んでくれないと分かっていたから。そのときに思ったんだ。終わらせよう、と。

この気持ちが実るわけない。だから手紙に今日が最後の人狼殺しと書いた。俺を殺せばいい。全部にサヨナラだ。

分かってる。くっついて、キスまで人前でする幸せそうなAと付き合うことなんて出来ないだろう。Aの幸せはルイといて実る。

だからもういい。敗けを認める。Aが幸せなら、この汚い感情に蓋が出来る。惚れた弱味だ。だからA_______







幸せになれよ。またあの笑顔を見せてくれ。

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設定タグ:埋夜冬 , オリジナル , 吸血鬼   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時

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