吸血 80 ページ38
Aside
これは呪いなのかもしれない。僕の周りから、僕の大切な人が死んでしまう呪い。
だって、そうでしょ?そうじゃないなら_______
主「リト…………ッ!!」
この結末は何だと言うの?今僕の腕の中で目を開けなくなった友人は?どうして、何で、皆、僕の前から消えちゃうの……!?
ル「A……………」
主「………憎かったのも、僕を守るためだっていうのも、分かってる。僕もルイと同じだったら、殺してたかもしれない。でも、」
リトを抱き締めている手に力がこもる。もう、抱き締め返してくれないリトの頬に涙が落ちる。
主「これ以上ッ、僕の前から消えないで!誰も、いなくならないでよ………!」
リトも、ルイも、三虎先生も、涼先輩も、僕の前からいなくならないでほしい。独りが怖い。傍にいてくれていることが、どれだけ温かいか知ってしまったから。
ル「ッ_______!ごめん」
僕の頭を抱き寄せたルイは髪を撫でながら何度もごめんと繰り返した。分かってるよ。リトが両親を殺した事実は変わらない。ルイ達はソイツに復讐するために生きていることも。仇を討ちたかったのも。分かってるんだ。
それでも、ソイツは僕の親友だから。僕はルイの肩で声を上げて泣いた。本当に、優しくされなきゃこんな気持ちにならなかったのに……!!
ル「なぁ、A。確率は0に等しいんだが、大神クンが治るかもしれない」
リトが生き返る!?本当に!?
バッと顔をあげると複雑な表情のルイと目が合った。
ル「政府の人外研究。あそこなら、もしかしたら……」
主「本当!?お願いルイ!リトを政府に連れてって!確率も絶対0じゃないんでしょ!?お願い!リトを、助けて……!」
辛そうに下を向いたルイは分かった、と短く返事をすると電話をし出す。
ル「……はい…………はい……………ありがとうございます、では」
電話を切ったルイはリトを担いで僕を見る。
ル「行くぞ。大神クンを助けるんだろ。馬鹿虎達は心配しなくていい。すぐに助けが来る」
主「……ありがとう」
リトを担いで歩くルイの後ろ姿が、とても小さく見えた。
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まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時