吸血 72 ページ29
ルイside
三虎は多分、自分の代わりに酒呑をこっちに寄越した。酒呑の方が使えるのを理解したからだろう。なら、三虎の分も俺が本気を出さねぇとな!
落ち着け。熱くなるな。周りを見ろ。冷静になれ。Aを助けるにはどうしたらいい?
今日は満月だ。吸血鬼の力は衰える。人狼の力は増すが、さすがに2対1は分が悪い。そこを突けるように協力プレイをするしかない。
酒「行くぞ。Aを救う」
ル「ああ!」
空気が変わったのを察したのか人狼はAを床にそっと置き立ち上がる。
リ「せっかく広く戦えるように壁をなくしたんだ。向こうでやろうぜ」
ル「当たり前だろ。Aに万が一のことがあったらどうすんだ」
ま、おもちゃが傷付くのは良くないよなぁ。と嘲笑うように言った人狼はパチンと指を鳴らした。Aの周りに半透明の壁が出来る。
リ「これで安心か?保護者サン」
やっぱりコイツは大嫌いだ。ぶっ殺す。Aが起きないうちに存在ごと抹消してやる。
ル「酒呑、俺多分また周り見えなくなるからそん時は頼む」
酒「あ?んなこたぁ分かってんよ。何のために俺が黒虎置いてここに来たと思ってんだ」
心強い仲間ができたな。
数秒睨み合った後、お互い強く地面を蹴りあげた。吸血鬼の力を最大限に活かして速い人狼に追い付けるように蹴りとパンチを繰り返していく。ああくそっ!何で今日満月なんだよ!
酒「後ろが空いてるぜ」
札が人狼の背中に触れる。すると人狼の背中が炎に包まれた。火炎の術だ。
すかさず人狼の横腹に蹴りを入れる。飛ばされた人狼は壁に激突した。
煙が充満する。わかっている。この程度でやられたなんて思ってない。
リ「あー……さすが。Aを助けるために必死だな」
煙から現れたのは、正真正銘の人狼の姿。顔は完全に狼に変わり、全身が灰色の毛に覆われている。
酒「ハッ!そっちの方が似合うじゃねーか。
_______Aを裏切ったお前が心まで獣同然だってのがよく分かる」
その言葉に、明らかに人狼の纏っている空気が変わった。
リ「殺されたいか?」
狼になったことにより声が低くなった人狼が酒呑を睨み付ける。
酒「宣戦布告は必要ねぇんだろ?オラ来いよ」
怒りに満たされた顔。ガルル……と威嚇する唸り声と共に人狼は戦闘態勢に入った。
忘れもしない。美香さんたちの敵、Aが一人になった原因。この手で消してやる。
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まどか - りょーかい、待ってるね!! (2018年8月27日 16時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» ありがとー!それじゃ戦いを終わらせられるよう、頑張りまっす! (2018年8月26日 10時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - うんうん、凄い!!私も早速投票させてもらったよ(^^♪ (2018年8月26日 1時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - まどかさん» アンケート作ってみた!どうかな?上手くできてるといいけど………。 (2018年8月25日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
まどか - オッケー、待ってるっ!! (2018年8月24日 21時) (レス) id: 130990d81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2018年5月26日 0時