【オリジナル】吸血鬼と同居したら周りもイケメンだらけで心臓が足りません【男主】

吸血 57 ページ12

ルイside

同族殺しの火蓋が切って落とされた。

作戦発表から２週間。酒呑や馬鹿虎も噂を流してくれたようで一部の人外が同族殺しをしている。数十件の報告があった。

ル「特に多いのは＿＿＿＿＿＿人狼」

思っていた通りの報告書だ。これで警備を強化し夜に見回りをしていけば人狼と会える。

復讐が、果たせるのだ。

ル「A、今日も見回り行ってくる」

主「うん……行ってらっしゃい………」

最近のAは元気がない。ずっと何かに悩んでいるようで、でも俺が聞いても大丈夫しか言ってくれないのだ。

ル「……………ちゃんと寝ろよ」

Aが俺に話さないってことは余程のことだろう。自分で解決したいのかもしれない。そう考えたら無理矢理聞くのは気が引けて、最近モヤモヤした日ばかり過ごしている。

少し心配だがAを置いて俺は今日も夜の見回りに行く。途中酒呑と馬鹿虎に合流し捜索範囲を広げる。

今日こそ現れてくれよ。人狼であるなら俺らがボコボコにしたあとAんところに持っていけばいい。

隼「…………あれは、一体……？」

小さな声で呼ばれたのでそっと屋根の方へ行くと何かが会話しているのが見えた。

そして＿＿＿＿＿＿＿＿＿一瞬で殺した。

隼「ルイっ！あの殺し方…………！！」

ル「ああ………。やっと会えたな」

人間を殺した。でもそれより、俺は殺し方に驚いた。知っている。間違いない。あの頸動脈だけを斬る殺し方、あれは……………

ル「美香さん達の、仇っ！！！」

ついつい大声で叫んでしまったせいで人狼が気づいてしまった。バっとこちらを向いた人狼はすぐに暗闇に姿を消した。

涼「追いましょう！」

隼「ええ」

二人が戦闘態勢なのに対し、俺は呆然と立ち尽くした。

ル「………先、行っててくれるか」

何故……………何故あいつが……………？

フードを被っていた上に暗くてよく見えなかったが、あの髪は、口許は、あれは_____________









大神 リトのように見えた。

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