黒い影 ページ41
・
そして私は最高学年、6年生へと進級をすすめられた。
勉強もまぁぼちぼち……でも、ちゃんと宿題だって提出している。毎日提出して偉いと褒めるしにがみと、普段の勉強もしなさいと叱るぺいんとが今日も元気に健在している。
「おーい、A」
「んぁ…？
「食いながら喋んな。
連絡とかないの？プリント」
朝ごはんのパンを齧りながら話しかけたのが悪いんじゃん！なんて朝から言う気もなれず、私は言われた通り食べ終わってから立ち上がり、ランドセルから何枚かプリントを取り出した。
「………あるならあるって言えよ…！」
「んふ、忘れてた」
「これ何回目？！貴方と暮らしてから何回目？！」
ごめんなさーい、と軽く謝って私は私服に着替え始める。配られた時に毎回見ているから提出期限のものはないはず。だからそんなに焦ることないよな〜、なんて思いながら時計を見れば、家を出る3分前。
「………ゲッ、」
私はさっきのスピードより何倍も上げて、急いで今日の時間割に合う教科書、持ち物を確認してランドセルを背負った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ぺいんとside
「いってきまーす！！」
「はっ？！まだ話は終わってなっ………はぁ…
行ってらっしゃーい！！」
「あれ？A行っちゃった？」
リビングから顔を出したクロノアさんは、玄関に突っ立っている俺に対して笑いながら話しかける。粗方内容は聞いていたんだろう。
「先行かれたし、俺もそろそろ行こうかな…
それより、なんか話したいことなかった？今」
「あー……」
ちらりと目線を下にうつす。如何せんこんな事態に慣れていないため、不安は大きくなるばかりだった。
「………この近辺、不審者出てるらしくって……なんつーか、あいつちゃんと防犯ブザー持ってくれてるのかなっていう心配、ですね……」
「不審者………この辺平和で有名なのにな…
多分防犯ブザーは持ってると思う。俺達も緊急連絡ないか注意しとこっか、Aが帰ったら一緒に説明しよう」
そう言ってクロノアさんはじゃあ行ってくるね、と靴を履く。
まぁ、Aも最近門限に理解はしてくれてるし、大丈夫だよな…
そっと不安を心の中にしまいこんで、行ってらっしゃい、と声をかけた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります！ (2023年1月10日 14時) (
レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます！癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました！もうこれは優しい大人になるしかない！()これからも扉の隙間から応援してます！ (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます！お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、！ありがとうございます！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます！かめそんさんの日常組の小説大好きです…！いつも素敵な小説をありがとうございます！！これからも応援してます！ (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、！ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かめそん | 作成日時：2022年12月2日 20時
