かぜの日 ページ33
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二分の一成人式までもう少し。
その日が楽しみで、眠れない日が続いてしまったことが良くなかったのかな。
「っ、けほっ…」
「38度…結構高いな」
いつものように起きたら喉は痛いし頭は痛い。
なにより体が全体的にあつくて、動く気になれなかった。
それでも学校に行きたくてリビングに行けば、ぺいんとに声をかけられるオチ。
「…なんで分かったの？」
「そりゃ毎日見てっから。腹減ってる？減ってないなら部屋戻るぞ」
後でゼリー持ってくるから、そう言って一緒に部屋まで戻ってくれる。……抱っこをしながら。
……久しぶりだなあ、抱っこされるの。絶対重いのに、軽々持ち上げてくれたのが嬉しくて、そっと身を預けた。
しにがみたちは私のことを心配そうに見ていたけど、手を振ればすぐ帰るからね！と言ってくれた。
「ぺいんと、1人で大丈夫か？」
「あぁ、大丈夫です！今仕事も一段落ついたし、休みの連絡も入れとくし…」
ほっぺに当てたぺいんとの手はひんやりと冷たかった。
クロノアとぺいんとの会話を耳だけで受け止めて、それが何だか心地よくて、微睡んでいった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
「…あれ……」
「あ、起きた？」
パチリと目を開ければ、目の前にぺいんとの顔が映る。
ごしごしと目を擦って起き上がるとガツン、と響く頭。
「いっ…たぁ…」
「まだ痛いか…とりあえず薬飲も、はい、ゼリー食える？」
はい、と手渡されたのは私の好きなりんごゼリー。お腹は空いてないけど、ぺいんとに言われたら食べるしかない。ゆっくりとスプーンでゼリーを掬いとって口に入れればひんやりと口の中で溶けていく。
……甘くておいしい。
いつもより時間を掛けて食べ終えて見ればぺいんとの手には私の大嫌いな薬。
やだなぁ、飲みたくない。
「ほら、飲まないと治んないよ？」
「………なんで飲みたくないって分かるの、」
「ふは、顔みたら分かっちゃうの〜」
あと知ってるしな、と付け加えたぺいんとは、早くと言ったように水を手渡される。
粉薬、不味いんだよなぁ…
覚悟してあ、と口を開ければ手早く薬を入れたぺいんと。
その瞬間さっきのりんごゼリーが消え去って途端に苦味が口の中で広がっていく。
「うぇ…」
「ん、飲めて偉い」
ぽん、と頭を撫でられて、布団をもう一度掛けられる。
きっともう1回寝ろ、ってことだろう。私はそれに従うように目を閉じた。
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります！ (2023年1月10日 14時) (
レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます！癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました！もうこれは優しい大人になるしかない！()これからも扉の隙間から応援してます！ (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます！お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、！ありがとうございます！ (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます！かめそんさんの日常組の小説大好きです…！いつも素敵な小説をありがとうございます！！これからも応援してます！ (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、！ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2022年12月2日 20時
