【akgmクラフト】幸せにするから一緒に暮らそう１１ (ページ11)

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父「…………俺がまだ学生の頃や。

父親にお前は大工になれと耳が痛くなるほど言われてきて、それは宿命なんだと思った。

嫌だと思った時は勿論あったし

もっと楽しい事をして生きたい、と強く思ってた」

そう話す親父は、どこか懐かしそうな表情で。

思わず俺も、その話に聞き入っていた。

父「……嫌だと思っとった時、近所の家の修理を頼まれてな

当時は仕方なく直したんだよ、名前もよう知らん工具を使って使い道は分かるからそれを頼りにな

そしたら頼んできたおばさんが驚くほど喜んでくれて、ありがとうありがとうなんて言うもんやから

あー、やって良かったなと思った」

やってよかった、

親父が言った言葉は、どこか聞いたことがあった。

親父はそのまま話を続ける。

父「工事ってな、その人達の大事な部分を直す大切な仕事なんよ

家は人が暮らす大切な場所、壊れたら困るもの

それをちゃーんと直して、元に戻す

そんな気持ちで俺は働いとる」

こんなに長く、そしてこんなに心に響く言葉を親父の口から聞いたのは初めてだった。

それと同時に、ともさん達に出会ったばかりの頃を思い出した。

屋根裏の修理を頼まれて喜ばれた時。

やって良かったと、あの時初めて思った。

そうか、大事な部分を直す仕事か

父「でもまぁ、その仕事も俺の代で終わりだ

………仕方ないことだがな」

s「親父、安心してよ」

俺を不思議そうに見る親父に、俺はニカッと歯を見せる。

s「俺が後継ぐよ、

じゃなきゃ親父、成仏できねぇだろ？」

笑って言えば、親父は久しぶりに笑みを零して、

父「馬鹿野郎、だから死んでねぇって」

笑いながら、

泣きながら、

そう言った。

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