左馬刻さんと一郎と俺と ページ6
「左馬刻さん、連れて行ってくれるって買い物にか??」
左「気にすんな、一郎とはいつもこんな感じだしよォ??」
ケラケラ笑いながら山田の頭をワシャワシャと撫でる左馬刻さんと嬉しそうにする山田を見つつなんとなく写真を撮る。
うん、青春の一コマって奴だな、完全に。
「いちゃつくのはいいけどよ、店閉まるぞ」
一「い…いちゃついてねぇ!!俺はA一筋なんだよっ!!」
慌てて俺の腕を掴んでは半泣きになりつつも俺を抱きこむ山田。
「山田、お前表情コロコロ変わり過ぎだろ」
一「ぜってぇ今言うことじゃねぇよな!?!?」
左「おーら行くぞ一郎、A」
ケラケラ笑いながら歩き出す左馬刻さんを見ていると一郎に腕を引かれる。
一「行こうぜ!!……ってかA、何で左馬刻さんは名前で呼ぶのに俺は山田なんだよッ!!」
ムスッと拗ねたようにする山田を見る。
そう言えば恋人なのに名前で呼んだことが無いな。
「……なぁ」
一「??…んだよA??」
俺の腕を掴む山田が振り返ってきょとんとした顔で俺を見つめる。
俺は開いた手の方を山田に差し出す。
「恋人なら腕掴むんじゃなくてよ、手ェ握ろうぜ、一郎」
一「…………ッ!!!!」
そういって首を傾げれば少し固まってから一郎は顔を真っ赤にした。
お前本当に純粋っつうか純情っつうか。
「ほら、足止めんな」
一「へ……あ、A……??」
腕を掴む手が緩んだ隙に手を抜いてはその手を握り、左馬刻さんの消えたほうに向かう。
……池袋最強がこんなに恋愛にタジタジなんてある意味ギャップ萌えって奴だな。
かと思ったら全力で脅しに来るし、一郎ってよくわかんねぇな。
左「おー、遅いじゃね…この短時間で何が起きてんだよ」
左馬刻さんの姿を見つけ一郎を引っ張りつつ近寄れば目を瞬かせた。
「別に、名前呼んで手ェ握ったらこんなになった」
一「だ、だってよ……い、いきなりいろんなことしてくるから…っ!!」
「お前恋愛初心者か」
赤い顔を隠すように手で口元を隠す一郎を見つつ思わず口が開く。
左「おら、いいから乗れや。…まぁ、初心者じゃねぇが、ここまで大事にしてんのは初めてだわな」
左馬刻さんに車を指差されつつそう言われては目の前の車に視線を落とす。
「俺黒塗りの高級車なんざ初めて見たんだけど」
左「ヤクザならよく見るぜ??」
「やっぱり本職かよ」
そういいつつドアを開ければ一郎を中にムギュムギュと押し込む。
…しまっちゃうよおじさん思い出した。
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クレイ(プロフ) - 面白い続きが気になる! (2021年6月9日 0時) (レス) id: a6777d967f (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - サマトキサマさん» その言い方はないかと。嫌なら自衛をきちんとするべきかと思います。ネタで言っているのなら言っていいことと悪いことをきちんと区別してコメントをすることをおすすめします。 (2020年8月6日 16時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 続きが無茶苦茶気になります!更新楽しみに待ってます。応援しています!頑張ってください! (2020年4月16日 16時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
サマトキサマ - こっちの界隈にくんなよ (2019年10月14日 4時) (レス) id: eef33ae380 (このIDを非表示/違反報告)
相澤 - やっぱり黒さんの書く作品、全部好きです!!!更新頑張ってください!! (2019年10月6日 18時) (レス) id: ebbc540d18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@黒 | 作成日時:2019年6月15日 6時