33話:個性発現 ページ42
幼稚園が休日のある日、それは突然起こった。
俊典が冷と一緒に買い物に出かけ、俺と冬美が家に居た時だった。
冬「パパ!!パパー!!」
貴方「!!……どうした冬美…??」
いつものように縁側に座りお茶を啜っていれば、ドタドタといつもなら廊下を走らない筈の冬美が俺を呼びながら走ってきた。
(なんだ…??……まさか冷の体調が…!?!?)
冷は酷く病弱という訳ではないが、酷く体調を崩すときがまれにあった。
慌てて立ち上がり廊下に出れば、そこには俺の予想とは裏腹に目を輝かせながらコップを手に走ってくる冬美の姿。
(……コップ??)
冬「パパ!!みてみて!!」
貴方「……!!……これは……」
嬉しそうに飛び跳ねる冬美の手の中のコップを見てみれば、中の液体が凍っていた。
まるで冷の個性だ……つまり……――――。
貴方「……冬美の個性か」
冬「うんっ!!さっきおかあさんのまねしたらできたの!!」
嬉しそうにそう言ってはその場で跳ねる冬美。
(…そうか……四歳だから個性が発現する歳なのか…
あっという間に日々が慌ただしく流れていくせいで時の流れを感じられないのも問題だな…)
そんなことを思いつつ、冬美の頭を撫でればそのまま抱き上げる。
貴方「冬美の個性はお母さん譲りだな」
微笑んでそう言うも、冬美はきょとんとした後に少し寂しそうな顔をする。
(…??……どうしたんだ…??)
冬「……パパの個性、どこかにおとしちゃったのかな…??」
貴方「………冬美、聞きなさい」
(個性を落とした……子供らしくかわいらしい発想だな…)
頭を撫で思わず苦笑を溢しながら冬美の頭を撫でる。
貴方「確かに、俺の個性は何処かに落としたのかもしれないな。だけど冬美の髪はちゃんと俺の色が混じってる。個性は置いて来ても、冬美は俺の可愛い娘だよ。それに冷とお揃いの個性なんて羨ましいぞ俺は」
冬「……うんっ!!ふゆみ、おかあさんとおそろい!!うらやましいでしょパパ!!」
貴方「嗚呼、冷とお揃いなんて冬美が羨ましいな」
足をパタパタとさせ嬉しそうにする冬美の頭を撫でていれば、後ろの縁側からカタンと音が聞こえ反射的に手を構えつつ冬美を抱きしめ振り返る。
オ「……あー……ごめん、声を掛けるタイミングが…ね」
冷「……ごめんなさい、つい可愛らしくて……」
柱に隠れるように、二人が覗き込んでいた。
貴方「……入るなら玄関からにしてくれ…」
思わず息を吐き出しながら、俺は冬美と一緒に二人に近づいた。
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しゃい - 設定の知ってる情報がw面白い！けど大体はあってる、、まあもちろん好きに成りますよね (2020年3月29日 0時) (
レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 本当に無理難題を引き受けて下さってありがとうございました。
あとたくさんコメしてコメ欄をお邪魔しまくってて申し訳ありません。
ほんとこの作品大好きです、作者さんのファンになりました♪
ムリなさらないでご自分のペースでがんばって下さい。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ミント - シリアスからの、いつも通りのほのぼの？で終わっていて安心しました。
もう一つのリクエストまで受けてくれるみたいでありがとうございます。
でももうほんと、ムリはなさらなくて大丈夫ですからね？こちらだけでももうお腹いっぱいなんでw。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ミント - こんにちは。リクエスト作品、受け付けて頂き…ありがとうございました。(*^o^*)
ご多忙な時期だったみたいなのに申し訳ないです、更には難産だったみたいで…悩ませてしまって。
難産だけあってとてもステキな作品に仕上がってた、と思います。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - んー…映画であったあれかな？(映画閲覧済み) (2018年10月25日 17時) (レス) id: edd13e8249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＠黒
| 作成日時：2018年7月18日 3時
