26話:妊娠 ページ32
貴方「――――………とりあえず、暫くは安静だな」
オ「そうだね、少なくとも医者から良いって言われるまでは安静にすべきだよ冷さん」
冷「……ごめんなさいAさん、俊典さん…」
ベッドの上で申し訳なさそうな顔をする冷の頭を撫でる。
貴方「俺の方こそ気付けなくて悪い……まさか、こうも早く妊娠しているだなんて…」
オ「私も気が付かなかったよ……新婚旅行の最中じゃなくて良かった」
結婚式から更に半年後、冷と俊典に俺の家に引っ越してもらっている最中にことは起こった。
冷「Aさんのお家はいつ見ても大きいですね…」
貴方「最初は俺も迷ったりしたんだ…何だってこんな大きな家にしたんだ昔の俺は…」
オ「今度は君の家で暮らすことになるとはね…」
新婚旅行の最中に荷物は運んでもらい、新婚旅行の余韻が落ち着いてから荷解きをする予定だった。
(……ただ、冷の様子が可笑しいというのは薄々感じ取ってはいたんだが……)
冷「……ふぅ……」
オ「大丈夫かい??」
貴方「冷、疲れたのなら少し休め。顔色が悪い…」
そう言いつつ冷の頬を撫でた時、冷がフッと意識を失い俺に倒れ込んだ。
貴方「……冷…??」
オ「……!?!?」
一瞬頭が真っ白になった。
なんとか支えた為に倒れることは無かったが、俺の腕の中でぐったりとしている冷。
貴方「―――………っ…俊典、救急車を呼べ!!冷、俺の声が聞こえるか!?!?」
オ「分かった!!」
声を掛けつつ手を握るが全く反応しない冷。
こんな状況だというのに頭の中は何処か冷静で、なのに指先から血の気が引いていくような感覚。
貴方「―――……あの時は本当に焦った…」
オ「嗚呼…私も焦ってはいたけれど……あそこまで焦った君を見たのは初めてかもしれない」
二人して息を吐けば、目の前で幾分か顔色がマシになった冷が申し訳なさそうな顔をする。
冷「ごめんなさい…月経が止まるのは時々あったことだから…まさか妊娠してるなんて…」
冷も驚いているのか、そっと自身のお腹を撫でる。
貴方「気付けなかった俺も悪いが……冷も体調が悪いなら無理をするな、もうお前一人の体じゃなくなるんだ」
冷「気を付けます…」
貴方「ん、分かればいい」
頭を撫でれば少し微笑む。
……とうとう轟焦凍と対面か……。
(……今のうちに子育ての本を読みこんでおくべきか……)
そんなことを考えては、俺は改めて反抗期と戦う決意をした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1469人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゃい - 設定の知ってる情報がw面白い！けど大体はあってる、、まあもちろん好きに成りますよね (2020年3月29日 0時) (
レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 本当に無理難題を引き受けて下さってありがとうございました。
あとたくさんコメしてコメ欄をお邪魔しまくってて申し訳ありません。
ほんとこの作品大好きです、作者さんのファンになりました♪
ムリなさらないでご自分のペースでがんばって下さい。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ミント - シリアスからの、いつも通りのほのぼの？で終わっていて安心しました。
もう一つのリクエストまで受けてくれるみたいでありがとうございます。
でももうほんと、ムリはなさらなくて大丈夫ですからね？こちらだけでももうお腹いっぱいなんでw。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ミント - こんにちは。リクエスト作品、受け付けて頂き…ありがとうございました。(*^o^*)
ご多忙な時期だったみたいなのに申し訳ないです、更には難産だったみたいで…悩ませてしまって。
難産だけあってとてもステキな作品に仕上がってた、と思います。 (2018年11月28日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
フリスク(プロフ) - んー…映画であったあれかな？(映画閲覧済み) (2018年10月25日 17時) (レス) id: edd13e8249 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＠黒
| 作成日時：2018年7月18日 3時
