恋人以上 友達未満 ７

2人の生活 ページ24

友達ですらなかった私たちが

出会い、結婚して

あっという間に
"夫婦"という恋人以上の関係となった



最初は悲しいことやつらいことが多かったけど


ジョンインさんの優しさに触れて

初めての恋に落ちて


ドキドキしたり

嫉妬したりすることもあった


誰かを大切に思う心、失う恐怖、ずっと傍にいたいという願い

それらは全部、ジョンインさんと出会ったことで芽生えた気持ち





「A〜

ネクタイ結んで」

「ふふ、わかりました」


洗濯物を干していた手を止めて振り向く


「今日は会食ですよね」

「そう…
最悪だ。行きたくない」

「頑張ってください」

「んー」

「晩ご飯は何が食べたいですか？」

「ビビンバ」

「え？」

「Aのビビンバほんとに旨い」

「チキンも食べます？」

「食べたい」

「いっぱい作って待ってますね」






ジョンインさんと2人きりの生活が始まってから1ヶ月


朝起きてから夜眠るまで
ジョンインさんのことばかり考えて、益々好きになった気がする




「あー行きたくない」

「……」

「どうにかしてAを連れて行けないかな」

「ジョンインさん、」

「大袈裟なこと言ってると思ってるだろ。本気だからな」

「ふふ」

「…笑うなよ」

「違うんです。

私も、同じだから」

「え？」

「お仕事だってわかっていても、行かないでほしいと思ってしまう。ずっと傍にいてほしいと思ってしまうんです」


顔を見るのが恥ずかしくて、ぎゅっと抱きつきジョンインさんの胸に顔を埋める


「…

あー、だめ。死にそう」

「えっ？」

「可愛すぎる」

「あ…」


ジョンインさんの唇がふわっと触れ

力が抜ける


「A、好き」

「んっ」

「好き…大好き」


甘い言葉に

甘い口付け



私はこんなにも幸せで良いのだろうか








ーーーーー

ーーーー

ーーー




『Aちゃーん！
久しぶりだね！会いたかったよ！！』

「わっ」


丁度晩ご飯を作り終えた頃

鍵を開ける音がしたので玄関に向かうと、勢い良くやって来たお義父さんに抱きしめられた


「A…ごめん。いくらダメだって言ってもこの人無理やりついて来て」

『聞いてくれAちゃん！こいつ、父親のことを本気で撒こうとしたんだ。信じられないだろう？』

「わかってるなら素直に撒かれてくださいよ。歳のくせに全力で走るなんて…」

「ふふ、お招きするのが遅くなってしまってすみません。どうぞ中へ」

『ありがとう！
お土産にお酒を買って来たよ！』

これから→←確かな幸せ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す