55話 聞き込み ページ9
「何で団子食って威張ってるんだよ!」
冨岡さんに情報収集を命じられ、町の道行く人々に最近おかしなことがなかったを聞きまわっている。これ絶対二人でやった方が効率いいと思うんだけど。
「おじさん! その風鈴綺麗だね」
「おお、そうだろう。嬢ちゃん買っていくか?」
「んーお金ないからねぇ。それよりさ、最近この町で噂になってる話、知ってる?」
「あー……子どもが一人、二人と行方不明になってるやつか」
風鈴売りのおじさんの話では、日が暮れ始めた頃、外で遊ぶ子どもが突然何かに操られたかのようにある場所へと導かれていくらしい。それを追いかける親も、子どもも、翌日には姿を現さず、まるで神隠しのように存在が消えてしまうそうだ。
そのある場所っていうのは、古くから言い伝えのある祠。気味の悪い現象に町の人達は“子どもだけがかかってしまう呪い”として、近くのお坊さんに除霊をお願いしたが、そのお坊さんも行方を眩ましたため、手の付けようがなくなった。
「……だから、外で遊ぶ子どもが一人もいないのね」
「……神の仕業か、悪霊の仕業か……子ども達が可哀想でなぁ」
「……その祠、どこにあるの?」
「お嬢さん…いくら大人でも危険だ。黄泉の国へ連れてかれちまうよ」
「こう見えても運気強いから平気だよ!」
「じゃが……」
「信じておじさん。私は生きて帰ってくるから」
躊躇うおじさんに私がそういえば、そこまでいうのならと場所を教えてくれた。
子どもだけが操られてしまう謎の現象。
けれど、行方を眩ますのは大人も子どもも関係ない。
「人なら誰でもいいってこと?」
ぶつぶつ言いながら、冨岡さんが待っているというお寺まで急ぐ。
ていうか…何で私が向かわないといけないの?
団子食ってたあんたが来なさいよ。
内心で毒ついている間にお寺につき、寺の階段で腰を下ろしている冨岡さんを発見。
「……来たか」
「“来たか”じゃない! 団子食った後何してたわけ?!」
「情報はどうだった」
「無視!?」
私の質問はスルーされ、事を進めてくる冨岡さんにため息が出た。
「……子ども達を筆頭に何人も行方を眩ましているみたい」
「場所は」
「……獣道にある祠。人気もないし、周りには使われてない畑と田んぼがあるらしいです」
「よし、行くぞ」
「………」
スタスタと歩き出す冨岡さんを見て、自分の存在価値が薄れていくのを感じた。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時