52話 耐えるんだ、今は… ページ6
隊服と刀を支給された私は、明日から本格的に鬼退治をするらしい。とは言っても、私は預かりの身。勝手な行動はできないため、柱と呼ばれる人達と任務を共にしなければならない。
ここがどこなのか、どうすれば帰れるのか。
私がこれからしなければならないことはたくさんある。
でも―――。
『Aを気殺隊で預かるのはどうだろう?』
『よろしくお願いしますね、Aさん』
こんな私を“仲間”として受け入れてくれる人がいる。
その人達のために、私はこの刀で守り抜くんだ。
「よーし、頑張るぞ! よろしくね、
「カァァァ! ソレヨリ飯ダァァァ!」
「……あ、ははは」
私もお腹すいたし、ご飯食べようかな。
*
日もすっかり暮れ、夕飯も食べ終わったその頃。
私は庭に出て能力の向上を図っていた。
もちろん、許可はとったよ。消火準備も完璧さ。
「…形状変化!」
ボウボウと手から燃える炎の形をいろいろなものに変化させた。
私がよく使う火の玉や槍に、ハート型、星型など様々な形に変える。
中でも、茉希さんに教えてもらったキャラに変化させる技が好きだ。
狐と狸の形をした炎を見て和む。
「可愛いなぁ、もう」
「コンコン…」
「クゥーン…」
私の周りをくるくる駆け回る二匹にそう声をかける。
あー…本物とも戯れたい、ぜひとも。
「まあ、狐はヒナタとヒカゲの方が可愛いけどね」
「コンッ!」
「いたっ、怒っちゃった!? ごめんね……」
狐は怒ったようで私の手に火の粉をかけてきた。地味に痛い。
『消防官が火で遊ぶな』
火縄中隊長の口癖だ。何度も注意されたっけなあー。
「……みんな、どうしてるのかな」
こうやって火を操ってると、第8のみんなを思い出してしまう。
みんな、無事に帰れたのかな。
森羅は……弟君に会えたのかな。
『みんな、離れるな!』
煙幕に包まれる前、桜備大隊長がそう叫んでいた。
その後どうなったのか、私はどうなっていたのか。
「何にも…覚えてないんだよね……」
狐と狸を見ながら座り込む。
不安はないか、寂しくないかと言われれば嘘になる。
しのぶさんには心配かけたくないし、もう感謝しきれないほど助けてもらってる。
だから―――。
「……きっと会える、帰れるよね……」
今はそう信じて、そう思って耐えるしかない。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時