60話 全集中・常中 ページ14
鬼の出現率が高くなったのか、もともとそれだけの鬼がいるのか分からないけれど、最近は任務続きである。蝶屋敷に戻るのも真夜中だし、下手をしたら翌朝なんてこともあり得てしまう。
「……ブラック企業かよ」
任務から蝶屋敷に戻った私は思わずそう呟いた。
特殊消防隊だってこんなに忙しくなかったぞ。
通報や出動命令がない限り、ほとんど事務作業だったわけだしさ。
人間より鬼の方が多いんじゃない?ってくらいだよ。
大変な組織だなと思いながら、久しぶりに炭治郎達と話そうと思い病室へ向かった。「失礼しまーす!」と元気よく戸を開けた私は、中の様子に唖然としてしまった。
「……ん?」
いつもなら誰か出迎えてくれるはずなのに、今日は誰の声もしない。それどこか人がいない。ベッドが全部ガラ空きなんですけど。
「どういうこと…何で誰もいないの?」と頭にハテナマークをたくさん浮かべていれば、近くを通りかかったのか、しのぶさんに声をかけられた。
「Aさん。任務が終わったんですね、お疲れ様です」
「あ、しのぶさん……」
「どうかされましたか?」
「…いや、何で誰もいないのかなーと…」
「ああ…炭治郎君達ですね。今は鍛錬していますよ」
「鍛錬?」
「はい。全集中・常中の特訓を」
「全集中・常中……??」
え、何それ。聞いたことないんだけど。
聞き覚えのない言葉に首をかしげていたら、しのぶさんから「一緒に行きますか?」と言われ、訓練場と書かれた道場みたいな部屋に案内された。
その部屋では、炭治郎が善逸や伊之助に何やら一生懸命教えていた。教えてもらっている二人の顔はもうすでに正気を失っているけど。
「炭治郎君が会得したのは、全集中・常中という技です。全集中の呼吸を四六時中やり続けることにより基礎体力が飛躍的に上がります」
「…すごっ…」
「しのぶさん!? それにAさんも!?」
「…お、お疲れ様?」
炭治郎の額から汗が滲み出ていて、相当きつい訓練だということが分かる。どういう技なのか具体的なイメージは掴めてないけれど、呼吸ってことはたぶん、持久力的なものを鍛えることなのではと頭の中で勝手に自己解釈してみる。
『呼吸を整えるんだよ』
「……呼吸を整える……?」
昔、どこかで聞いたことがあるのか?
頭の中で微かに響く懐かしい声。
あなたは一体―――――――?
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時