何でも屋と奇術師 Ⅱ (ページ26)

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46話ページ26

小さい歩幅ながらも着実にアジトには近づいていて...

やがて彼女は旅団のアジトの前にいた

貴『(これが、絶望、なんだろうな)』

ﾋｭﾝ

トランプが風を切る音が聞こえた

貴『(もう、どうでもいいや。)』

ｸﾞｻｯ

それは紛れもなくトランプがAの腕に刺さった音で

貴『(痛い...)』

腕に刺さったトランプからは血がしたたっていた...

「なんで避けないんだい？♠」

貴『ヒソカ...』

壁に寄りかかっていたはずのヒソカだが次の瞬間にはAの目の前にいた

貴『！！』

ヒソカに抱き締められた

貴『...ヒソカ、あの、

ごめ...』

ヒソカ「許さない」

貴『え...？』

ヒソカの胸から顔を離してヒソカを見上げれば明らかに怒っているであろうヒソカと目があった

貴『ごめん。』

自身のトランプが傷つけてしまったAの二の腕をいとおしそうに撫でながら口を開く

ヒソカ「君はやっぱりわかってないよ♦

だから、許さない♠」

そう言い残し去ってしまったヒソカの背を見つめ続ける

止まったはずの涙が、再び頬を伝う

貴『っ...(わかってない...？

何を...？)』

失った体温に顔を歪める

貴『(どうしたら良かったの...？)』