何でも屋と奇術師 Ⅱ (ページ8)

今日:6 hit、昨日:21 hit、合計:144,649 hit

28話ページ8

することもなく床でトランプタワーを作るヒソカを眺めていた

貴『(あ、そうだ！)』

ヒソカへ近づく

ヒソカ「？♦」

そのまま話しかけることなくヒソカの後ろへとまわり背中を借りて背もたれがわりにする

貴『(へへ

背中あったかいなぁ...

なんかヒソカと一緒だと楽しいんだよね)』

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

トランプタワーの崩れる音が聞こえた

貴『え？

私のせい？』

ヒソカ「それ以外何が考えられるんだい？♦」

貴『いや、そんなつもりじゃなくて...

あの、

ごめんね？』

ヒソカ「......♣」

貴『無言は怖いよ？』

ヒソカ「こっち来なよ♦」

そういって胡座をかいている自身の足をポンポンと叩いた

有無を言わさぬその空気に圧倒され頷く

貴『失礼します...』

Aが座ったことを確認しヒソカが抱きついてきた

貴『！！ヒソカ！』

ヒソカ「ん？♥」

貴『ん？♥じゃない！

もう...』

ヒソカに後ろから抱きすくめられながらも先程の電話の依頼へと思案を巡らす

貴『(クロロが、依頼なんて珍しい...

しかもヨークシン...

９月３日...

ヨークシンで９月初めって...

オークション...？

大がかりな仕事なのかな...？)』

ヒソカ「♦」

それまでAの髪を弄んでいたヒソカが口を開く

ヒソカ「どうだい、ディナーでも？♦」

貴『え！？

もうそんな時間？』

太陽が既に沈んでいたことに気付く

貴『あ、ディナーね。

うん、行こ！』

ヒソカ「♥

その前にお風呂に入ってもいいかな？♦」

貴『？なんで？』

ヒソカ「これから行く店はドレスコードがあるんだ♣

ボク、メイク落としたいし♥」

貴『ああ、うん。行ってらっしゃい』

･

不意に携帯がなった

貴『(珍しいな。こんなに携帯使うなんて)』

ピッ

貴『もしもし？』

「あ、A？」

電話口から聞こえたのは暗黒大陸に残してきたチームの一人、フェザリーヌの声だった

貴『あ、フェザ、久しぶりじゃん！』

フェザ「A、早急に帰ってきてほしいの。

今から飛んで迎えに行くから」

電話が切られて数秒、念能力である瞬間移動により現れたフェザリーヌを見て安堵する

貴『なんだ、フェザが怪我してるとかじゃないんだね。』

だが、いつもおっとりしている彼女が慌てていることからかなり重大なことが起きていることを察した

フェザ「このまま、暗黒大陸に飛ぶから」

『『へ？？』』