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「青蓮…」
「ん？」
「青蓮が兄貴なんだよな」
「うん…」
「初めて会ったときから絶対俺の方が大人だったよな」
「紫蓮の方が身体も大きかったし、しっかりしてて…似てるところなんかないのにね」
不思議そうな顔で紫蓮を見上げて青蓮が首を傾げる。
その仕草に紫蓮の胸の奥がドキリと音を立てる。
―お前が兄貴だなんて
紫蓮は己の心に戸惑いを隠せない。
「ほら、これ。あのとき落としただろ」
蒼玉を手渡そうとする紫蓮に首を振る青蓮。
「…これは紫蓮のだよ。姉様が言ってた。水神の子の証だって。
ボクは身体に取り込んで、紫蓮は蒼玉を握って生まれたんだって」
あの日以来、度々ここを訪れていた紫蓮を泉の睡蓮の中で見ていたと告げる青蓮。
「ずっと心配だった。とっても辛そうだったから…でも、少しずつ変わっていったよね。
だんだんここへは来なくなって…でも来たときはとっても幸せそうに笑ってた」
「ああ、涼音と出会ったからな。
あいつはとんでもなく明るくて、いつも楽しそうに笑うから…つられて俺も、ね」
「嬉しかった。すごく…嬉しかったよ」
「なあ、青蓮は青蓮なのか？あーその…」
「もー、紫蓮がおんなじ名前つけるからややこしいんだよ」
青蓮はそう言って笑ったあと、じっと紫蓮を見詰めた。
「小さい青蓮は紫蓮と涼音の息子で、ボクは少しの間小さな身体に留まらせてもらってただけ」
「それじゃ…」
はっとして青蓮の顔を見る紫蓮。
それに穏やかな笑みを浮かべて青蓮は頷き、小さく息を吸いこんで瞼を閉じるとゆっくり口を開く。
「ボクはもう還らなきゃ」
青蓮は睡蓮の泉を見詰めながら、まるで夢の中で揺蕩うように告げる。
「小さい青蓮の中でボクはずっと紫蓮と一緒に居られた。
紫蓮と涼音にたくさん愛してもらったよ。二人はボクに教えてくれた。
幸せって何か…幸せって思う気持ちがどんなに素敵なことなのか」
紫蓮は何も言えず、ただじっと青蓮を見詰めている。
声を掛ければ、そのまま消えてしまいそうな青蓮の手をきつく握ることで繋ぎ留めている。
「ボクが次に生まれ変わるのは、本当はずっと先…その時にはもう紫蓮はこの世にいない。
それを父様が少しの間だけ叶えてくれたんだ。小さい青蓮に手伝ってもらって。
でも、ボクとは違う魂を持つ小さい青蓮のなかにずっとはいられない」
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - mioさん» そんなふうに受け取ってもらえて嬉しいです。穏やかで優しい空気と木漏れ陽に満たされたカフェで、わたしも忙しい日常を忘れて癒やされたい〜またこのカフェのお話は描きたいと思います。ふわふわ笑う長男と優しい眼差しの五男。いつになるかは分からないけど（笑） (2020年5月13日 0時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - カフェクローバー、どこかにないかな(笑)。仲良く2人でお仕事してるのを、通りがかった窓越しに見るのとかも癒されそう(*^^*)じゅんくんと一緒にいるサトシくんは、ほわほわと幸せそうで素敵です。揺るぎない愛情の中で微笑むサトシくん、私も幸せ頂きました(^^) (2020年5月11日 22時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» ふたりのなれ初めは長くなるからやめたんですが、思い浮かべたシーンはあるのでいつか描こうかな。賑やかな感じになると思うけど（笑）気長に待っていてくださいね。ソラリスの外伝は、全部名前を入れ替えて、手直しして…来月あたりからアップできるかな。 (2020年5月11日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、最後までほのぼのないちごが素敵でしたよ。ぜひ、2人のなれそめも書いてほしいなあ。ソラリスも楽しみ。待ってます。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: 4161089d38 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» bunkichiさん、お待たせしました（汗）こんなにお待たせする予定じゃなかったのに…それでもこのお話は新緑の季節を想定しているのでジャストタイミングということで（笑）お待たせした分、一気にアップしますよ〜後半もお楽しみに！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2019年8月22日 0時
