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それから五年の月日が流れ、紫蓮は妻を娶った。
やがて生まれたのは玉のように美しい赤子。
その子が生まれた朝、天から虹の橋がかかり、森の精霊が祝福にやって来た。
「約束、守ってくれたんだな」
紫蓮はその子を青蓮と名付けた。
あの日の青蓮に日に日に似てくる息子を愛しげに見守り育てる紫蓮。
小さな青蓮が泣き、笑い、すくすくと育って行くのをその瞳に映してきた。
―泉から出られなかった青蓮
―お前が出来なかったことをたくさんしよう
―トンボをつかまえよう
―魚を釣ろう
―お前と一緒に
―ずっと一緒にいるよ
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「とーちゃん、もりにいくの？おいらもいきたい」
小さな手が紫蓮の袖を引く。
「ああ、そうだな。今日は特別に連れて行ってやろうか」
紫蓮はその日初めて息子を森へと連れて行った。
四歳になった青蓮は興味津々で父について森の奥へと入って行く。
森の精霊たちが二人の気配に気づいて姿を現す。
それにあどけない笑顔で挨拶する青蓮。
「森の精霊たちは俺たちをいつも見守ってくれてるんだ。
ここは精霊の住む神聖な森だから、狩りをするにも決まりがある。
獲物は出来るだけ苦しめることなく必要な分だけ狩ること。
森の精霊を怒らせてはいけないよ」
神妙な顔で聞いている青蓮の頭を撫でて抱き上げる。
「でも今日、狩りはしない。お前を連れていきたいところがあるんだ」
「どこいくの？」
「とーちゃんの大事な人がいるところだ」
「だいじなひと？」
「そうだよ。とーちゃんのかーちゃん、お前のばーちゃんが眠ってるところ」
森の奥へと進んで行くと青蓮がきょろきょろと辺りを見回した。
「とーちゃん、なんかいいにおいがするよ」
そう言って紫蓮の腕から降りた青蓮は走り出した。
「待て、青蓮。迷子になるぞ」
慌てて後を追う紫蓮。
青蓮は導かれるように森の中を走る。
木々はその枝が青蓮を傷つけることを恐れるように道を開けて行くようだった。
「わあ、…すごい…きれいなおはな」
不意に立ち止まった青蓮は睡蓮の泉を見つけて目を見張る。
少し遅れて追いついた紫蓮は、感慨深げに泉を見つめた。
「睡蓮の泉だ。やっぱりお前にも見えるんだな…」
泉に近づき手を伸ばす青蓮。それを引き留めて紫蓮が首を振る。
「だめだよ。向こうへは行けない」
「どうして？」
「お前は人だから。この泉は神様のものなんだ」
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - mioさん» そんなふうに受け取ってもらえて嬉しいです。穏やかで優しい空気と木漏れ陽に満たされたカフェで、わたしも忙しい日常を忘れて癒やされたい〜またこのカフェのお話は描きたいと思います。ふわふわ笑う長男と優しい眼差しの五男。いつになるかは分からないけど（笑） (2020年5月13日 0時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - カフェクローバー、どこかにないかな(笑)。仲良く2人でお仕事してるのを、通りがかった窓越しに見るのとかも癒されそう(*^^*)じゅんくんと一緒にいるサトシくんは、ほわほわと幸せそうで素敵です。揺るぎない愛情の中で微笑むサトシくん、私も幸せ頂きました(^^) (2020年5月11日 22時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» ふたりのなれ初めは長くなるからやめたんですが、思い浮かべたシーンはあるのでいつか描こうかな。賑やかな感じになると思うけど（笑）気長に待っていてくださいね。ソラリスの外伝は、全部名前を入れ替えて、手直しして…来月あたりからアップできるかな。 (2020年5月11日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、最後までほのぼのないちごが素敵でしたよ。ぜひ、2人のなれそめも書いてほしいなあ。ソラリスも楽しみ。待ってます。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: 4161089d38 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» bunkichiさん、お待たせしました（汗）こんなにお待たせする予定じゃなかったのに…それでもこのお話は新緑の季節を想定しているのでジャストタイミングということで（笑）お待たせした分、一気にアップしますよ〜後半もお楽しみに！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2019年8月22日 0時
