絵本2 (ページ11)

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#桜火過去考察⑤ ページ11

「国を変える方法は何だ。」
「キャリアを積むしかないだろ。」
「だよな。」
「でも…国を変えるって？」
「戦争を終わらせる。誰も死なない、世の中を作る。」
これ以上人の死なんて見たくない。
俺にできる事は何だ。
爆弾を取り除いても、戦争がまた始まればどうせ一緒だ。
さらにいえば俺は戦争を指揮する立場になるはずだ。
このまま行けば、人を殺す立場になる。
「お前、これに参加したらどうだ？」
先輩が送ってきたデータを見た。
書類の初めに書かれた『プロキオン計画』という文字は、俺には輝いて見えた。
「優秀な人間を選抜し、プロキオンという星に行って、隕石から地球を救う方法を得るらしい。選ばれれば報奨金も出るし、英雄になる。英雄になれば戦争を辞めさせるなんて容易いだろう。」
「先輩も…参加するのですか？」
「俺は年齢で基準外れているんだよ。だから桜火、お前選抜に参加しろ。」
「…1番手っ取り早い、キャリアアップって訳か。」
プロキオン計画に賭けよう。
この国を守る為に。
誰も理不尽な死を迎えない為に。