Ep.1 つまり三週目だったということでよろしいか？ ページ1
自分の最後のことは、よく覚えている。
重くなっていく体、失われていく感覚、目も見えなくなって＿＿＿＿
それでも、あの方の御声だけは最後まで拾い続けた。
私を呼ぶ声が聞こえる。
もう、瞼を動かす気力も残っていない。
嗚呼、申し訳ございません。私の力不足で、貴方様の御心を煩わせるなど。
私は、御身に付き従うことができて幸せでした。
だからどうか、私のことはお忘れください。
＿＿＿＿＿＿岩神 モラクス様。
私の記憶はそこで途切れ、同時に璃月の歴史の中でも仙人の一人として葬られたと記録されている。
さて、それではここにいる私は何なのかという話だが、ここまで話したなら察しのいい貴方達であれば気付いてくれるだろう。
そう。生まれ変わりである。
しかも、だ。
なんとびっくり。
前世では全く覚えていなかったが、私、人生三度目。
この世界の外で生きていた記憶すらある。
一度目の人生は、うすぼんやりとしてあまり残っていない。
二度目の人生を間に挟んでしまったからだろうか。
ただ、物凄いドハマりしていたゲームがあったことは覚えている。
元素力が溢れ、神が実在し、モンスターと相まみえる。
そう、隠しようもない。
盛大になんでやねんと叫びたい。
戦うのは苦手…とか、そういうわけでもないんだけど、何がきっかけでシナリオが変わっちゃうかわかったもんじゃない。
いや、そもそも私の存在自体がイレギュラーなのかもしれないし。
だって、私が知ってるあのゲームの中に「私」なんて登場しない。
もしかしたら私が知らないだけで、モブとしてプレイヤーの画面の端に映りこんでた可能性も否定はできないけど…
仙人として生きた「二周目の私」がモブとして存在するのは些か難しい気がする。
そう、問題は「二周目の私」だ。
自分に前世がどうだとか全く知らなかった私は、あの方の傍にいてしまった。
いや、言ってしまえばそれ自体に後悔はない。
何故なら、彼は、あの方は、「一周目の私」の推し。
岩神モラクス＿＿＿岩王帝君。
私はあの方と契約を結んだ。
内容は覚えていない。
ただ、願いをかなえてもらう代わりに忠誠を誓ったのだ。
微力ながら、貴方様の力になります。
どうかお使いください＿＿＿＿とまあ、こんな感じで。
…魔人戦争は終わり、璃月は契約の国となった。
そして私は、あの方の国で人間として生き始めた。
あの方は今、どうしているんだろうか。
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ブックマーク＠りんごおれ(プロフ) - ものすごく最高です応援しています！ (2023年3月4日 17時) (
レス) id: 30dece2dde (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - ありがとうございます……！ 大遅刻更新ですが、良ければこれからもどうぞよろしくお願いいたします……！ (2022年12月23日 22時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - とても面白い作品ですね！！楽しく読ませてもらっています。更新楽しみにしてますね！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) id: 7981f63c4d (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - 有害物質さん» 読んで頂きありがとうございます！ 更新頻度は遅くなってしまっていますが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです……！ (2022年11月27日 16時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - ゆいﾋﾟさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます……！ もうなんと言いますかどんどん無料で読んで頂ければ嬉しいですといいますか……！ 良ければこれからもどうぞよろしくお願い致します…！！ (2022年11月27日 16時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろぐみ | 作成日時：2022年3月30日 16時
