第3話 ページ4
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Aside
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4代目から長めの休暇をもらい、何をしようかぽつぽつと考えながら、長く空けていた一人暮らしのアパートへ向かった
たまに部屋の空気を入れ替えてもらうためにイタチに預けた部屋の鍵はミコトさんから返してもらっていた
まずガス管開けてもらって水道も通さないとこれから暮らしていけないし……
深夜の大通りをとぼとぼと歩いていると不意に臭い匂いが鼻を刺した。
これは……血の匂い
それも出血して乾いた後に出る匂いだ
街灯の足元に現れた気配に身をかがめる。すると闇の中から、3年間会いたくて仕方がなかった人の姿だった
『カカシ!久しぶり……元気にしてた?今日帰ってきたの……カカシ?』
ずっと想像していた。カカシに久しぶりに会った時にはたくましい胸に抱きしめられて、離してほしくない!……なんて妄想はどこへやら
私には目もくれず、彼はスタスタと歩いて行ってしまう
『忘れちゃったの?Aだよ……』
『ねぇ!!!』
いくら話しかけても無視するカカシの腕を掴んだ
ふざけて私を無視しているのだと信じたかった。でもカカシからでるオーラは本当に冷たいもので
やっと話しかけてくれたと思ったら、考えられない言葉が彼の口から放たれた
カカシ「しつこい。もうお前のことなんとも思ってないから話しかけないでヨ」
そう言い放つと瞬身でどこかへ行ってしまった
私の唯一の希望だった彼から放たれた言葉はとても重いもので、肩に重くのしかかり、突然すぎてその場に立ち尽くすしかなかった。
そして私に残ったものは彼の腕を掴んだ時に付いた黒く染まった血だけだった
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あの日は雨が降り、寒い夜だった
『ねぇカカシ……私長期任務につくことになったの』
「え?大丈夫なの?長期ってどれぐらいヨ……」
『早く見積もって2年かな……』
「2年……絶対無事に帰ってきてヨ。俺待ってるから」
そう言われて頬にかけられた冷たい指が私には暖かかった
『もし……もし無事に帰って来れたら、カ、カカシのそばにずっといてもいい?』
「いいに決まってるでしょ。待ってるよ……」
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ねぇカカシ
あの日の約束は嘘だったの?
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かな(プロフ) - とても好きな世界線です…‼︎応援しています! (2022年4月14日 7時) (レス) @page4 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツ | 作成日時:2020年10月16日 18時