お嬢様な君と執事な俺 (ページ10)

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それからは怒涛の執事特訓。

執事としての在り方、立ち振る舞い、言葉遣い
その全てを教わった

オフモードの永瀬さんは関西弁を話すから、俺も自然と関西弁で話すようになった

「廉、お前どうせ平野には戻らへんねやろ
じゃあ永瀬廉として生きたらええ
俺の事も冬馬って呼んでええで」

ある日の永瀬さん…いや冬馬さんのその言葉で、俺は平野から永瀬へと変わった

嬉しかった、憧れでもあり俺の目標の冬馬さんからそんなこと言ってもらえるなんて

そして俺が大人になり立派な執事として成長出来た頃に、冬馬さんは体調を崩し入院することになった

そして冬馬さんがずっと仕えていたお嬢様の執事は誰がするのか、と言う問題が浮上した

「廉に任せる」

冬馬さんのそのひとことに周りはざわついた

「永瀬、いくらお前の言うことでもそれは…」
「彼はまだ誰にも仕えたことがない新人だろう」

そんな奴に大事な家のお嬢様を任せられるのか

「いいや、こいつは大丈夫や
何てったって俺が直々に育て上げたからな」

そこまで言うなら…と軽いテストを受けることになった

テストは見事合格。先輩執事からも太鼓判を押されるほどの良い執事として認められることが出来た。

そして出会ったんや。

…Aに。

「お嬢様、本日より彼が私に代わりお嬢様のお世話をさせていただきます

私の自慢の息子でございますので、ご安心を」

そう言って紹介された俺。

"自慢の息子"
そう言ってもらえたことが物凄く嬉しくて、同時に泣きそうになったのも覚えている

お嬢様の名は赤城A。
とても綺麗で可憐ないかにもお嬢様って感じの子。
歳は俺のひとつ上らしい。

最初こそ執事とお嬢様としての正しい距離感で過ごせてはいたけれど、お互いがお互いに惹かれ合ってしまった

秘密の恋愛が始まってしまった俺達二人

バレないように上手くやっていたけれど
あの時紫耀と再会した瞬間、鋭いあいつのことやから絶対勘づいたやろうなと思った

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A…何か変なこと吹き込まれてなければええけど

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