お嬢様な君と執事な俺 (ページ7)

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07. ページ7

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Ren side.

平野の家に産まれた俺は紫耀と言う二つ上の兄を持ち、元々は所謂お金持ちの息子"御曹司"だった。

じゃあなんでここで"執事"としてひとりのお嬢様の元に仕えているのかと言われれば、話は長くなる

そもそも俺がこの執事と言う職へ憧れを持ったのはある人との出会いがきっかけだった。

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当時やんちゃ盛りだった6歳の頃、親の目を盗んで勝手に家から出た俺は見たことも無い道を新鮮な気持ちでうきうきで歩いていた

その時信号をよく見ずに横断歩道というものを歩いたら、けたたましく鳴り響くクラクション

幼いながらに、ああ終わったと思った

なのに俺は轢かれることなく無事で、気付けば一人の男の人の腕の中。

そのまま"大丈夫か"のひとことでも言われるのかと思っていたけれど、彼の口から出た第一声は大きく違って

「馬鹿野郎っ！
何してんねん！」

俺を怒鳴りつけたんだ。

「横断歩道を渡る時はこの光るランプが青になった時だけや！お前はそんなことも分からへんのか！」

6歳の俺にはその剣幕が馬鹿みたいに怖く思えて、体を震わせながら泣いてしまった

そんな俺を見てその人は人が変わったように焦り始めた

「あぁ…っ！悪い！いや、泣かせるつもりはなかってん

その…あれや～、…大丈夫か？怪我してへんか？」

うんうんと何度も頷く俺にニカッと笑ってくれる

「ガキ、名前は言えるか？」

『…ひらの、れん…』

そう言った俺に驚いた顔を見せたその人は

「なんやお前…もしかして平野のボンボンか？」

「よし、家に送ってってやるから乗れ」

そう言って広い背中に俺を乗せて迷うことなく家へと辿り着いた。

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