お嬢様な君と執事な俺 (ページ17)

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Sho side.

「紫耀くんの言う通り、私は廉が好き」

「だからごめんなさい

貴方とは結婚出来ません。｣

真っ直ぐな目で俺に頭を下げながら言う彼女。

なんで、なんで俺じゃダメなの？

確かに顔はあんまり似てないかもしれない
だけど同じ血を分けた兄弟に変わりはない

俺と廉に何の違いがあるの？

頭の中で無限に出てくる疑問。

『…いやだ』

そんなの嫌だ。だって、俺だって。

『初めて会った時からAが好き』

彼女をぎゅっと抱き締める。

強く強く。離れていかないように。

「紫耀く…、痛い」

『…な、だよ…』

「え？」

『何でみんな廉ばっかりなんだよ…』

あの日、反対押し切ってまで家を出て行ったくせに
両親はいつまで経っても廉を引き摺る。

"廉ならこれくらい簡単に出来たぞ"
"廉ならこんな時慌てず対応出来てた"

廉なら、廉なら。

口癖のように毎日毎日聞かされた。

だから俺は頑張った。
精一杯無我夢中でいろんなことを頑張った。

やっと比べられることもなくなったって言うのに
自分が唯一愛した女でさえ廉にいってしまう。

『みんなそう、口を開けば廉、廉って。

俺の事なんか少しだって見ようとしてくれてない』

廉が好きなんてそんなこと言わないで。

『Aくらい…Aくらい俺の事だけ見てよ、』

俺のそのちっぽけな願いは、願うことすら間違ってる？

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