3 届け物 ページ3
1週間ほど経った時、父に呼び出された。
もう数年は直接会っていないというのに、突然「自分の部屋に来てくれ」と。
慎重に、慎重に足を進めて、静かに戸を開ける。
そしてそのまま、彼らの顔をなるべく見ないように──跪いた。
「おお、来たか。今回お前を呼び出したのは、他でもない。お前に仕事を頼みたくってな。」
「街にこの荷物を届けて欲しいのよ。妖魔界の郵便局まで行って、「大王様」宛ですって言ってくれればいいから──お仕事、忙しいと思うけど…頼んでもいいかしら？」
優しい声。
普段の彼らとは全く違う、私を気付かうような声に、酷く吐き気がした。──が、その願いを断ることは出来ない。
顔をあげずに、前に進んで荷物を受け取った。
「大丈夫…です。…承りました、この荷物…私が責任を持って、妖魔界まで届けます…。」
「頼んだぞ。」
──部屋を出たところで、思いっ切り咳き込んだ。
気持ち悪い。あの人達の優しさが、気色悪くて仕方がない。
何とか自分の部屋まで戻り、水を飲む。
──少し落ち着いてきた。…そういえば、預かっていた荷物は何だったんだろう。
──あまり大きくはないし、軽い。
包装には、「大王就任おめでとうございます。」と書かれた紙が貼ってあった。
なるほど、お祝いの品を届けてこい…と。
いや、お祝いじゃないか。
彼らがわざわざ…好いていない大王に届け物をして、
わざわざ嫌っている私に、届けさせるのだ。
──中身はきっと、くだらないものだろう。
酒か、薬か。
──どちらにせよ、大王様の評判が下がるようなものだ。
流石は野心家。望みを叶えるためなら、嫌う使用人にまで優しく接して操るのだ。
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海羅 - ユーリさんこんにちわ。おもしろかったです。また続き書いてください！ (尊死) (9月19日 9時) (
レス) id: 286d8438eb (このIDを非表示/違反報告)
海羅 - めっちゃ続ききになります！！ (9月19日 9時) (レス) @page10 id: 286d8438eb (このIDを非表示/違反報告)
asterisk👑ground - ユーリさん» ユーリさんはじめまして、asterisk👑groundと申します、宜しくお願いします(⌒‐⌒)先程ユーリさんの作品を読ませて頂いきましたが何れも面白みがあって素敵ですね。次回の内容も楽しみにしてます♪(/ω＼*) (6月18日 12時) (レス) @page3 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
読んだ感想 - 生きててごめんさい？ならはよ史ね (2022年8月5日 17時) (レス) id: 2c09132fd3 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - ウッ、ヤバイ、カイラがカッコよすぎて死ぬー！これめっちゃ続き気になるわ、更新頑張ってください！ (2021年5月2日 15時) (レス) id: 19f1affe62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2020年3月26日 18時
