手紙

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ジェシーside

こーちに電話を切られた後、俺はうわの空だった。

こっちは時差があるから、到着してすぐに撮影に入ったけど、時差ボケもあって頭がボーっとする。

カメラマンに何回か注意されて、はっとしたけど
こーちと離れる事が俺にとってとんでもない痛手だという事を実感した。

まだ離れて半日くらいしか経ってないのに、こーちが日本で何をしているのか気になってしょうがない。

でも集中！集中！

今回は海外の高級ブランドからオファーが来て初めての仕事なんだ。

先月表紙を飾った雑誌が目に止まったらしい。

周りのモデルの視線が痛いほど俺に突き刺さる。

この世界はプレッシャーを与えられて潰されたらおしまいだ。

死ぬ気で仕事を取りにいかなければならない世界で俺は順風満帆すぎるから、みんなからの嫉妬は凄まじかった。

日本では考えられない程の様々な意地悪を来た早々され、悪口や嫌味を言われて俺の心は折れそうだった。

それでも「頑張って！」って空港で両手を大きく振って見送ってくれたこーちのクシャクシャの笑顔が思い浮かんで、俺の心はなんとか持ち応えていた。

ジ「こぉ〜ちぃ〜〜。会いたいよ・・・」


するとカメラマンさんが俺に寄って来た。

カ「COACH？」

ジ「NO.NO。こーち is my sweet cat ！！」

カ「OH！OK！OK！AHAHAHA！」

それいつもの俺の笑い方だけど、疲労とプレッシャーで俺の笑顔は引きつる。

それにしても陽気だな。この人。

名前なんてたっけ。

この人とたわいもない話しを続けていたら、だんだんリラックス出来た。

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