#07 優しい貴方に甘えます。 ページ7
「えっと…カイトさんの部屋は、ここを使ってください。」
私の部屋にある個室を、カイトさんに充てがう。ここを彼に差し出すことは、私の念願のようなものだった。
彼がどんな反応をするだろうかと暴れる心臓を落ち着かせながら彼を案内すると、カイトさんは部屋の中を見てふむ、と考える仕草をする。
「…誂えたように男仕様だな。恋人が居たことがあるのか?」
「…………その、この部屋、元々カイトさん用前提で整えた部屋なんです」
「…は?」
「わ、私、仕事するとき意識的にカイトさんに傾倒するようにしてて…この服はカイトさんに似合いそうだとか、こんな部屋でカイトさんに過ごしてほしい、とか…妄想で…ここまで…」
「………」
「気ン持ち悪いですよねすいません全部捨てます!!!」
「待て待て待て待て!!俺は何も言ってないだろう!」
「いやだって普通に考えたら普通に気持ち悪い…!」
「俺がそう考えてると決めつけるな!」
「ううう゛だってカイトさんに嫌われたくないぃ!」
「、驚いただけで嫌いになったとは一言も言っていないだろう!」
「……嫌いになってない…?」
「なってない!だから落ち着け!」
う゛うぅ、と唸りながらぐしゃぐしゃと髪をかき混ぜる。落ち着け落ち着け落ち着け、これ以上カイトさんに迷惑をかけるわけにはいかないじゃないか、もっと一人でいられるところを見せなければ、
伸びてきた両腕ががばりと私を抱き込む。鼻を通ったのは彼が目の前に現れて初めて知った彼の匂いで、ぶわっと一気に顔が熱くなった。
「…確かに落ち着け、とは言ったが、無理矢理落ち着こうとするんじゃない。逆効果だぞ、それは」
「………スミマセン…」
はわばば私今カイトさんの腕の中にいるカイトさんの腕の中にいぃ…!これはこれで心臓が落ち着けないですカイトさんッ…!しかもカイトさん意外と体温高いぬくい…!
「んんんうぅ、私もカイトさんに抱きついていいですか…!!!」
「……少しだけなら」
「カイトしゃん好きッ!(がばっ)」
「っ、……君は意外と躊躇いがないよな…。」
躊躇ってる内にカイトさんが消えたらと思うと躊躇っている暇なんてないと思うわけですよ私は!
つーかカイトさん腰ほせ…腰に両手が回せるこの感じ好き…。
「はぁ…カイトさん好き…」
「……君はどうしてそうも俺が好きなんだろうなあ」
「好意なんて理屈じゃないものですよ、カイトさん。」
#08 出来る限りの美味しい夕食を。→←#06 優しい貴方が大好きです。
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
色 - ヤバいっす!!!続きがみたいっす!!!男でも憧れそうっす!! (7月16日 22時) (レス) @page8 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
かえる38(プロフ) - 最高です! めちゃくちゃ尊い…! カイトさん、大好きぃ…! (2021年6月29日 23時) (レス) id: dc610bcb00 (このIDを非表示/違反報告)
ルカルカ - 更新まだですか??面白いので楽しみにしてます (2020年8月8日 11時) (レス) id: b9d349ae92 (このIDを非表示/違反報告)
舞桜(プロフ) - 面白いです!HUNTER×HUNTERとのクロスオーバーも最高です。更新頑張ってください! (2020年3月1日 0時) (レス) id: 44beeb878b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - カイトさん尊い//// (2018年11月28日 17時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ