私の嫁がジンに似てるとかやめろや！

#02 生きたい私に散々な出来事。 ページ2

ああー！きましたわ虐めのテンプレート！ロッカーにゴミ！後がクソめんどくさいからせめてゴミ箱ごとロッカーに突っ込んで…！というかそもそも仕事してウチの仕事そんな暇じゃないよ…！

ああー！紙パックの中身漏れてるぅー！ですよねゴミ箱ですもんねぇー！

……胃が痛い。みんなもういい大人だろうによくやるよなまじで…ウチの隠れお局もう四十後半だからよもや年齢なんて関係ないのかもしれないけど。あの人降谷さん気に入ってるし、多分一枚噛んでるんだろうな〜…むしろ首謀者の可能性もありえる…。

うっうっ私が何をしたというのだ精一杯日々を生きているだけだというのに…存在が気に食わないとか言われたらどうしよう私全否定だよ…改善の余地もないよ…。


「……帰ってカイトさんに癒されよう…」


マイスイートハニー、私は貴方の為に日々頑張って生きています…！

………現状でカイトさんにまで否定されたら生きていける気がしないなあ。でも、今の私に肯定される要素なんてあるのかなあ。だって、私イジメと戦ってない。なかったことにして逃げてるだけだ。

私がここまで頑張る意味って、あるのかなあ。


夜遅くの帰り道を、そんな考え事をしながら歩いていたからか。周りは見えていなかったし、正直気にすることが出来る精神状態ではなかった気がする。

そんな私だから、良くないことばかりを引き当てるのか───前から走ってくる男に気付いたのは、二、三メートルの距離まで近付かれた頃だった。はっと我に返った私の目に飛び込んできたのは、ぎらりと鈍く光る包丁で。咄嗟に体が動いて、私はジュースで汚れた鞄でそれを叩き落とした。

でも待ってだから何、包丁を叩き落としたからって無駄だ、だって、距離が近過ぎる…！やだ、やだ、やだ、私が何したっていうの、私が生きる意味なんて分かんないけど、

でもだって、私まだ死にたくない…！


包丁を落とされた彼はしかしそれを拾いはせず、すぐさま私に飛びかかってくる。ああなんてことだ、こんなときに限って賢明な奴にぶち当たるなんて！

男に押し倒された私の首に彼の両手の指が絡んで、ぐぐっと力が込められる。通り魔なのか怨恨なのかはたまたそれ以外の何かなのか、私には何も分からないけれど、彼が私を殺そうとしているのは確かだった。男の手は思っていたより逞しく、またしても不運度1ポイントプラス。

力が強い、引っ掻いたって意味を為さない、もう駄目なのか。


誰かの足が男の顔面を蹴飛ばした。

#03 二次元との対面。→←#01 現実逃避くらいさせてください。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す