Transfer02 ページ9
そいつはインクの入った瓶を持っていた。
色が次々に変わるそのインクは、どこか幻想的でも不気味でもあった。
スカーフを巻き、大きな筆を持ち…
左目には星が浮かんでいた。
そいつは、瞬きするたびキラリと光った。
✱「…よう、お仲間さん。
俺も作り物の、【ink！Sans】だ。少々見た目が奇抜だが、俺もちゃんとしたスケルトンだよ。」
そいつはニコリと笑って首を傾けた。
金属のようなものがシャラリと音を鳴らした。
その瞬間、動作の硬直が解けた。
喋れるようになった俺は、まくし立てるように奴らを質問攻めにした。
「なぜ…お前はここに？どうして3人目のニンゲンがいる……Novellってどういうことだ？愛された作り物って、一体何なんだ。この世界は一体…っ。」
あまりにも勢いよく質問攻めをしてしまった。
俺は我に返って謝ろうとしたら、インクがニッコリと笑って「うん。そうだね」と言ってきた。
Ink「まず、この世界はAlternate Universe…つまり平行世界なんだ。
元々、Undertaleという世界が主となって…【Player】たちによって沢山の平行世界が作られた。…俺はその世界を守る、いわば守護神さ。だからこうして“セーブ画面”にいるんだ。」
Alternate Universe……。
聞いたこともない言葉だった。…それなのに、なぜかとても納得してしまった。
【Player】が作った世界…。
Ink「このAは、【Player】が都合よく世界に干渉できるようにここに送られてきた仲介人。キャラでもフリスクでもない、君達にとっては目新しいニンゲンだね。」
仲介人。
そういえば、全ての指示を俺達に的確にしてきたのもAだった。
全部【Player】の筋書き通りだったってわけか…。
Ink「Novell…って言うのは…簡単に言えば平行世界のジャンル、かな。
UndertaleはGameとして【Player】達に親しまれてる。それと同じような感じで、今の君達はNovellとして【Player】達に親しまれてるんだ。」
【Player】達に親しまれてる…。
そういえば、Aが【Player】は俺達のことを娯楽だと思ってるとか言ってたっけ。
全てが、今までの謎にピッタリとはまっていく。
Ink「さて、最後に。
君達は【Player】にただただ娯楽として楽しまれているだけではない。…利用されてるなんて思っちゃだめだ。
君達は………
【Player】に愛されているから、ここにいるんだよ。」
インクは穏やかに笑っていた。
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ベクトル(プロフ) - 生茶さん» コメントありがとうございます！特に気をつけて表現した部分なのでとても嬉しいです…！ (2022年9月8日 16時) (
レス) id: d2ab233ccc (このIDを非表示/違反報告)
生茶 - こちらを見透かしているような表現が面白かったです！読んでてニヤリとしてしまいました！ (2022年9月7日 23時) (レス) @page14 id: 34e4e8ddc1 (このIDを非表示/違反報告)
ベクトル(プロフ) - Makaron settoさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけてとても嬉しいです！ (2022年8月14日 14時) (レス) id: d2ab233ccc (このIDを非表示/違反報告)
Makaron setto(プロフ) - 完結おめでとうございます!変わったようなジャンルでとても面白かったです! (2022年8月14日 11時) (レス) @page14 id: 65e676b86a (このIDを非表示/違反報告)
ベクトル(プロフ) - いつもコメントして下さって、ありがとうございます…！これからも執筆活動頑張ります！ (2022年8月6日 16時) (レス) id: d2ab233ccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベクトル | 作成日時：2022年7月31日 15時
