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「……ずっと前から思ってたんだけど、貴方……朝いっつも泣いてるわよね?」
「え?」
驚きのあまり、紅子ちゃんの顔をまじまじと見つめる。
『話したいことがあるんだけど』
学校に着くなりすぐに声をかけられ半ば強引に手を引かれて連れてこられたのは、いつもなら立ち入り禁止のはずの屋上。
このシチュエーション、前にもあったような……
「学校に来るといつもあなたの頬に涙の跡が残っているのよ」
フェンスの向こうにある小さな街並みを見つめながら紅子ちゃんはそう言った。
……そんなに涙の跡目立つかな?
顔をちゃんと洗って分からないようにしてたはずなんだけどなぁ。
もしかして、快斗とかにもバレてた??
「私には何でもお見通しよ」
紅子ちゃんは私の顔を見てふっと笑った。
……そんな紅子ちゃんを見たら、悩みでも何でも解決できそうな気がして。
「……実はね、私が幼い頃に両親が死んだの」
紅子ちゃんは私に同情することもなく、ただ静かにこちらに視線を送っていた。
「幼い頃って言っても、小学生の頃なんだけれどね」
いつだったかは正確に覚えていない。
その時はただ、両親が亡くなったことで頭がいっぱいだったのだ。
そしてその後、私は親戚に引き取られた。
親戚とはトラブルなく過ごせたけれど、どこか遠慮するような部分があって……素の自分を出すことはできなかった。
両親が死のうが何だろうが、地球は気にせずに回り続け、目まぐるしいほどに毎日が過ぎ去っていく。
高校一年生の終わり頃、住んでいたアパートで火災が発生。
幸い死傷者は出なかったものの、家は丸焼けで住もうにも住めない状態だった。
そこで、親戚のおじさんおばさんからある提案をもらった。
『高校二年生になったら、一人暮らししてみない?』
自分たちには別荘があるから、と、そう進められたのだ。
親戚のおじさんおばさんが別荘を持っていたことにはかなり驚いたが、"一人暮らし"という魅力的なワードに一際興味を引かれた。
少し窮屈な日々に退屈さを感じていた私にとって、一人暮らしは暗闇に差し込んだ一筋の光のようだった。
したいです、とうなずいてやってきたのがここ、江古田高校で───────……
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もっさ(プロフ) - めっちゃめっちゃおもろかったです!更新楽しみにしてます!! (2019年11月29日 17時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年6月23日 19時