甘美な日常と、漆黒の闇を貴方に。【名探偵コナン】 (ページ8)

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＊episode 独占欲＊ページ8

ふわっと、何かの上に身体を降ろされる感覚がして意識が浮上する。

「ん････快斗？」
「悪い、起こした？」

申し訳なさそうに頬を掻き、「おやすみ」と微笑んで私の頭をポンポンと二回叩いた。そのまま私の入っている布団に潜り込んで････

「ちょっ、何してんの！？」
「何って････ここ、俺のベッドだし。大丈夫だからこっち来いって」
「部屋に運んでくれれば良かったのに････」
「流石に無断で女子の部屋に入るのは気が引けるからな」

快斗が私を抱き寄せ、腰に手を回す。向かい合っているこの状態だと心臓が持たない為、快斗の胸元に顔を埋めた。

ばくばく、と鳴る心臓の鼓動。

「あれ、どうした？照れたのか？」
「････格好良すぎて狡い」
「そりゃあどうも」

ふ、と快斗が笑う。どうやら言葉通り何もしてくれないらしい。････明日は予定が入ってるから、まあ良いけど。

快斗の温かい吐息が首筋に当たり、びくりと身体が反応する。腕に力を込め、快斗に抱きつく力を強めた。

「首、弱いんだっけ」
「教えたら快斗の思うつぼだから教えない」
「へえ？」

首筋にチクリと痛みが走る。ぴりぴりと痺れる変な感覚に僅かに身体が震えた。

「な、何やって････！」
「こいつは俺のだ、っていう印」
「何もしないって言ったじゃん」
「俺は“大丈夫”としか言ってないぞ？」

ニヤリと口角を上げる快斗を見て、ちきしょう、嵌められたと唇を噛む。

「････凄い独占欲」
「なんとでも言えば？」
「じゃあ仕返し」

埋めていた胸から顔を上げ、無防備に晒された鎖骨にちゅ、とキスを落とす。驚いたような顔をした快斗が私の頭を撫でた。

「お前だって強いじゃん、独占欲」
「快斗程じゃないし････それに、目立たない場所にしてあげたんだから」
「嘘つけ。学ラン脱げねーだろ」
「言ったでしょ？仕返しって」

ニヤリと笑い返せば、顔を押さえて快斗がもごもごと何かを呟く。明日のことがある為、私はゆっくりと瞼を閉じた。