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*episode 乙女と猛獣* ページ15

「んで、来るのかよ?明日は」
「あ・・・・その件なんだけど、私は降りる。もうすぐ解毒効果が切れるしね」
「友達とかは大丈夫なの?」
「そこで杏奈に頼みがあるんだけど・・・・」

__七瀬Aとしてひまわり展に行ってほしい、と。

「何か予定でもあるのか?」
「ちょっと、ね」

哀しげに目を伏せる。

はぐらかされたところからして、恐らく触れられたくない部分だったのだろう。気付かない振りをして杏奈に話を振った。

「そういえばお前、何でいきなり日本に遊びに来たんだよ?」
「ひまわり展、見に行こうと思って。学校サボってきた」
「おいおい・・・・」

本当、性格が正反対だ。こいつにとってロンドンハイスクールは相当ちょろい学校らしい。
音楽学校へは推薦で行ける為、まあ納得はいくが。

「ああそうそう、彼氏にも会おうかなって思ったのもあるよ」
「名前教えて。その人の家に殴り込みに行ってくる」
「物騒な奴・・・・」

にこやかな笑顔で、Aが指をポキポキと鳴らす。実際過保護な程に妹を溺愛しているこいつから一撃食らったことのある俺としては、手を合わせることしか出来ないだろう。

「冗談だよ、冗談。もうすぐこっちでピアノのコンクールがあるじゃない?世界大会に出る相手の特徴を把握しておきたいのよ」
「え、もう出場決定したのか?」
「うん!国内大会で最優秀賞」

やっぱこいつ、すげえな。

Aとは違いインドア派の杏奈は、見かければ本を読んでいるか、勉強をしているか、ピアノを弾いているかのいずれかだった。

もうピアノが友達、そう言ってもおかしくない位に楽譜と睨めっこしていたのを覚えている。

「音楽、やっぱり好きなんだな」
「やっぱりじゃないよ。当たり前」
「んじゃ、俺はブルーパロットに行ってくっから」
「あ、私も行く」
「私も行きたーい!」

ダメ?なんて首を傾げられる。

「・・・・別に、いいけど」
「「やったあ!」」

やっぱり、俺はこの笑顔に弱いのだろう。

*episode 未読メール、一件*→←*episode 幼馴染を始めた日*



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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» いえいえ、コメント嬉しかったです!笑 (2018年7月18日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、今引きました?(汗) (2018年7月18日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - 五十鈴さん» 本当ですか(汗)読んで下さってありがとうございます! (2018年7月16日 19時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - あ、ぁぁ、中、破しました (2018年7月16日 19時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - クリスさん» ありがとうございます!できる限り甘々に出来るよう頑張りますね(^^♪ (2018年7月9日 20時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年6月4日 22時

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