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消えた時間割の概念 ページ10

「そんな使わないわよ、その時間割。体術の訓練とか任務だとかで座学少ないから」
「え、うそ」
「マジ」
「野薔薇、だからジャージなの?」
「そ。今日は比較的自由だけど、受け身の練習とかするからAも早く着替えたほうがいいわよ」
「何時から?」
「んー、30分くらい後じゃないかしら」
「うそ!全然時間無いじゃん」


私がぱちぱちと目をしばたかせると彼女は盛大なため息を一つ。見下ろせば私はまだ部屋着で、ところどころ跳ねている髪の毛はまるで寝起きそのままですと大声で言いふらしているようだった。


「集合場所、どこ?」


頭を片手で押さえながら慌てて問えば、指と指の間から寝癖がひょいと顔を出す。それをまた押さえて、跳ねての繰り返し。
野薔薇は「グラウンド」とだけ答えるとポケットから出した櫛を私に握らせ。
ぽんと私の背中を押して「ほら、早く準備しなさいよ」と近くの壁に背を預けた彼女に頷き、そっとドアを閉めると急いでジャージに着替える。一度洗濯はしたものの、新品独特の匂いがツンと鼻をついた。
嗅ぎ慣れないそれは、どこか自分が自分でないような、型に上手く嵌まりきれていないような、私をそんな気分にさせる。どうも新しい服というのは落ち着かない。

苦戦はしたもののなんとか寝癖を整え、今度は服装もしっかり確認してからドアを開けた。待っていてくれたらしい野薔薇は私を見つけるとスマホから顔を上げ、軽く手招き。


「ごめん、お待たせ」
駆け寄ると彼女は首を僅かに振って
「大丈夫よ、こんくらい」
そう言って先を行く。朝ののどかな空気にまだ抜けきらない眠気が揺蕩いて、大きな欠伸を噛み殺すとじわりと涙がにじんだ。

誰が為の剛毅なりや?→←朝露に溺れる



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作者名:シルビア | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月2日 19時

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