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薄ら氷を踏みしめる ページ2

某日。ところは都内のとあるカフェ。
カーテンの隙間から洩れる陽の光が虎杖の飲むジュースの氷に反射してきらりと輝いた。
大人しめのジャズ音楽をバックに食器をカシャ、と置く音や扉に付いた小振りの鈴の鳴る音が聞こえる。
普段と相変わらぬ落ち着いた様子の伏黒とは対に、釘崎と虎杖はどことなくそわそわとした様子で時折時計へと視線を向けていた。
鈴が鳴ればドアに目を向けて、また何事も無かったかのように視線を外す。

全ては今朝、相変わらずどこか能天気な担任の唐突な一言から始まったのだ。
新しい仲間を迎えに行く、と。寮の共有スペースで放たれたその言葉は三人の朝の気怠い空気を一気に吹き飛ばした。性別は女の子。そう五条が付け足した瞬間に真っ先に食いついたのは意外にも釘崎だった。
虎杖は新しい仲間という響きに胸を躍らせ、伏黒ははしゃぐ二人にやれやれと言いたげに、三人はそれぞれ五条の後についてきて新入りを待つことになったのだ。


「しかしさぁ、何でこんな時期から呪術高専(こっち)なの?珍しくね?」


ストローで飲み物をかき混ぜながら虎杖が首を傾げる。掛けていたサングラスのブリッジを押し上げ、五条が「まあね」とレンズの奥で目を細めた。


「入学は春から決まってたさ」
「は?じゃあ尚更なんでこんな時期なのよ」
「いい質問だね、野薔薇。彼女はつい最近まで封印されてたんだ…ちょっと訳アリでね」
「マジ?」
「マジ」


目を丸くする生徒達に「大マジだよ」と付け足す五条。自他共に認める最強だからこそなのか、それでも危機感の欠片も無しにへらりと笑う彼に「でもさ」と虎杖。


「やべーやつなんじゃねぇの?その子」
「うーん、そうでもないでしょ。封印って言っても呪霊にするようなそれじゃなくて、しかも不完全な封印だったから簡単に解けたし」
「あんたが解いたのかよ」


大きなため息を洩らす釘崎。伏黒も同様、じと目で五条に視線を向ける。


「その子、なんて言うの?名前」
「仙翁A。珍しいでしょ」
「仙翁…」


ぴくりと反応する伏黒。


「どったの?伏黒」
「…いや、何でもねえ」
「ならいいけど」


手元の本に視線を落とした伏黒をよそに、切り分けたパンケーキの一片を口に入れる釘崎。
ぽたり、溢れたホイップが皿へと落ちた。

冷めた珈琲にミルクを注いで→←とある名家の少女の話



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作者名:シルビア | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月2日 19時

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