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*episode 正体は* ページ9

「これ、お兄様のですよね・・・・?」
「ッ!」

家に戻り、ゆったりとテレビを見ていたところでポケットからモノクルを出す。俯いている快斗お兄様の瞳は揺れていて、動揺しているのが見てとれた。

「な、何で・・・・俺だと思ったんだ?」
「一瞬ですが素顔を視認しました。サッカーボールが当たってキッドさんが怪我した所と同位置に絆創膏を貼っているのがその証拠です」

ぐっと黙ったお兄様が、私を引き寄せて胸の中へと抱え込んだ。震える声で、問う。

「瑞希は__俺が怪盗キッドだったら、どうするんだ?警察に突き出すか?」
「そんなことしませんよ。例えお兄様が怪盗キッドだとしても、お兄様はお兄様ですから。ただ、確認したいだけです」
「・・・・今まで隠してて悪かった」

ぽつり、ぽつりとお兄様が話し始める。大好きな彼に信用してもらえたのが嬉しくて仕方が無かった。

「__ごめんな」
「いえ・・・・信用してもらえて、嬉しかったです」

微笑んだ私の頭をお兄様がぽんぽん、と軽く叩いた。

「早めだけど、寝るか。こっち来いよ」
「お兄様、温かいです・・・・」

布団の中でお兄様の腰に手を回し、その心地良い温もりに体を預ける。お兄様が寝息を立て始めた頃、スマートフォンが着信を告げた。

≪もしもし?≫
「蘭お姉様・・・・?」
≪今、出られるかしら≫
「でもお兄様が」
≪すぐに終わるから、お願い!≫

渋々部屋着から着替えて玄関の鍵を開ける。蘭お姉様はおろか人っ子一人の姿も見えず家に入ろうとした、その時。

綺麗なブロンドを束ねた女の人が出て来て私を見下ろした。

「お姉さん、だあれ?」
「あら、忘れたの?随分と薄情ね。私は__」

べるもっと。その声を最後に、私は意識を失った。

*episode 絶望の色に、染まれ*→←*episode 絆創膏*



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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます!快斗君格好良すぎて…… (2018年6月2日 12時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 展開が甘酸っぱい…快斗に惚れ直しました(笑)これからも応援しています! (2018年6月2日 12時) (レス) id: b4b2c4fcf3 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - ピッピさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう頑張りますね! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ(プロフ) - 快斗ー!!めちゃくちゃカッコいいです!!10点連打機能がない占ツクを初めて恨みました…!笑 続きも応援しています(*^^*) (2018年5月29日 11時) (レス) id: d3db016fb1 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - MONOさん» ありがとうございます(^^♪ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Silvia | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月23日 16時

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