*episode 俺は* ページ39
「まず一つ目。倒れてた男達は何なんだ?」
「襲われそうになったんで隙をみて倒しました」
「素手で?」
「いえーす。空手習ってたからね」
あの後部屋に戻ってきた私達は、色々とあって千影さんのアイデアで何故か同じ部屋。身の危険しか感じない。
はあ、と快斗がため息を吐いてこちらを見た。
「二つ目。母さんに提案されたアイデアへの反論の言葉、あれは何なんだ?」
「ああ、一週間断食させた狼の檻に美味そうな仔羊を投げ込むのと同然ってやつ?事実じゃない」
「・・・・まあ狼ってのは認める。そして三つ目。何で俺が来た瞬間に逃げた?」
ぐっと言葉に詰まる。何て言えば良いのか分からないまま、行き場の無くなった手を重ねて膝の上に乗せた。
「あれは・・・・快斗が悪いから」
「は?」
声が震えないよう気を付けながら吐き出す。じわりと熱いものが滲み、床に落ちた。快斗が目を見開き、こちらを見る。もう最悪だ。
「キス、しようとしてたでしょ?蘭さんに」
「あれはその・・・・成り行きでっていうか」
「じゃあ私にキスしたのも、その先のことまでやろうとしたのも全部成り行きなんだ?」
言ってしまってからハッと我に返る。快斗が居心地悪そうに頬を掻き、何かもごもごと呟いてから頬を染めてそっぽを向いた。
グス、と鼻を鳴らして涙を拭く。人前で泣いたのはいつぶりだろうか。お互い視線を逸らし、ただ無言の時間が流れていく。
「ごめん、突然こんなこと言って・・・・先にお風呂入ってくる」
「待てよ」
せっかく気を遣ってお互い頭を冷やそうと思ったのに、こいつは・・・・と軽く怒りを覚えた。掴まれた手を思い切り振りほどこうとするが、流石は男子高校生。振りほどけと言う方が無理な話である。
「一回しか言わねぇからよく聞けよ!俺は__」
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シルビア@快斗君神推し(プロフ) - アイリスさん» ありがとうございます!快斗君格好良すぎて…… (2018年6月2日 12時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 展開が甘酸っぱい…快斗に惚れ直しました(笑)これからも応援しています! (2018年6月2日 12時) (レス) id: b4b2c4fcf3 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - ピッピさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう頑張りますね! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ(プロフ) - 快斗ー!!めちゃくちゃカッコいいです!!10点連打機能がない占ツクを初めて恨みました…!笑 続きも応援しています(*^^*) (2018年5月29日 11時) (レス) id: d3db016fb1 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア@快斗君神推し(プロフ) - MONOさん» ありがとうございます(^^♪ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6380122d07 (このIDを非表示/違反報告)
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