非日常と、ささやかな癒しを貴方に。【名探偵コナン】 (ページ27)

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＊episode 良いところで＊ページ27

「＿＿ッ！」

ドクン！と激しい心臓の動悸が起こる。服に手をかけようとした快斗が異変に気付き、右手を私の額に当てた。

「熱いな」
「ごめん、快斗････もどっちゃ、う」
「んなことよりお前の体だろ！」

ひんやりと冷たい手の感触を感じながら、近くの洋服ダンスから子供服を取り出す。身体が溶けてしまいそうな程に熱い。

ふっと意識を手放しかける。額に軽く口付けた快斗が私を抱き上げ、窓を勢い良く開けてひらりとお互いの家の間を飛び越えた。

「A、す＿＿」

＊
翌朝。

ぱちっと目を開くと、額が当たるくらいに近い整った顔が視界に入る。規則的な寝息を立てながら眠っている快斗に思わず自分の服装を確認した。

「････良かった、流石に小学生に手を出すほど快斗はクズじゃないよね」
「おはようさん」
「うえっ！？」

微笑む快斗を見ながら、今自分はどのような状況に陥っているのかを理解する。腰に手を回され、抱き寄せられているのだ。

「な、何で私を抱き枕代わりに」
「子供って体温高いよなって思ったから。もう少しこのまま寝かせて？」
「････良いけど」

視線を逸らした私の頬に頬擦り。なんとなく緩い感じな快斗は、絶対に寝ぼけているのだろう。再び眠ってしまった快斗にふう、とため息を吐いた。

････人の気も知らないで。

昨日の感触が残る唇を人差し指で撫でる。首元に違和感を感じ、まさかと思いスマホでそこを撮影すると見事にクリーンヒット。

このやろう。

「目立つところにやってくれちゃって････」

仕返しとばかりに自分も首筋にそれをお返しする。ざまあみろと微笑んでいるとパソコンにスカイプが入った。千影さんからだ。腕の中からもぞもぞと抜け出し、応答する。

「あら、瑞希ちゃん！快斗は？」
「寝てます。夜遅くにAお姉様の家から帰って来たので････」
「あらあら、快斗ももうそんな年頃なのね。瑞希ちゃんももう少し大人になったら分かるわよ～」

ぶっちゃけあなたの息子さんと同い年なんですけど。
頬を染めてあれこれと妄想(？)している千影さんに苦笑いし、呑気に眠っている快斗の布団を引っぺがした。