第067夜 ページ18
私も暫くここで待機かな、って思っていた時キッドの言葉が鮮明に私の耳に入ってきた。
「にしても、お前の彼女…気をつけてやった方がいいぜ？
あの藤岡って男に両腕を掴まれてさ。けど、すぐ飛び退いたし…咳やくしゃみをした訳じゃねーから、うつっちゃいねーと思うけどな」
キッドは顔を隠すように俯く。
彼の話を聞いて、その藤岡って人は感染者？
でも女の子の両腕を掴むって……気持ち悪い人。
暫く真剣な顔をしては、新一くんは私を見る。
新一くんと視線が交わると、ニコリと私は笑った。
「私も少しここに残ります。何となく……ここにいた方が最善だと思うので」
「……キッドといたいからか？」
「えっ！？ あ、違……くは、え…っと、」
私はズイッと新一くんの側に寄った。
新一くんが言った事も含まれているからこそ、否定ができなかったのも確かではある。
けど、負傷している私が新一くんと共に行動しても迷惑になるだけだから。と、ここまで言うと余計な心配をかけてしまうので…
「新一くんより背が高い私が新一くんと一緒に行動すれば、テロリストに見つかる確率が数倍高くなります。キミの行動を制限させない為にも私はここにいます。」
「……わかった。だけど何かあったらすぐ連絡しろ、いいな？」
「OK」
飛行船内部に戻っていく新一くんを見送った。
そしてここに流れるのは沈黙だけ。
風を切る音だけが流れるこの時間が、何となく気まずい。
ゆっくりと視線をキッドの方へ向けると、バチリと目が合った。
だけど彼の顔はいつもの優しい笑顔はなく何を考えているのか想像もできない程、表情がなかった。
何か可笑しな事でも言ってしまったのだろうか？
自分が発言した言葉を思い返してみても、思い当たる節がない。
「…どうしましたか？」
「本当に名探偵と一緒に行かなくてよかったのか？」
「えぇ、彼は単独行動した方が効率がいいと思うので。
それより今は、飛行船内がどんな状況なのかを知りたいです。」
全てを把握する事はできないのはわかっている。だからわかる範囲だけは頭に入れておきたい。
私の強い意志が伝わったのかキッドは諦めたように軽く笑みを溢す。
「感染者は３人。１人目はルポライターの藤岡隆道、手のひらや顔、首、腕に発疹が出ていた。2人目はウエイトレス、右の手のひらと左の二の腕、３人目は手のひら」
「……なるほど、共通点はありますね。1人を除いて」
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メイリュー(プロフ) - noppiさん» コメントありがとうございます！！不定期ですが更新していきますので宜しくお願いします！！ (10月5日 13時) (
レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 15時) (レス) @page10 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メイリュー | 作成日時：2022年4月12日 14時
