金曜日 ページ13
『ぜーったい諦めないからなぁ！』
「行かない」
ブチッ！
今日、何度も何度も連絡をしてくる中島
朝も昼休みも、そして休憩時間の今も
わざわざ電話までかけてきたかと思えば
合コンの話し
秘書課との合コンなんて御免だ
以前は嫌いじゃなかった美人揃いの秘書課も
今はあまりに興味がない
それより、今一番に知りたいのは
Aさんのこと
明日のデートが待ち遠しくて堪らない
こんな気持ち、何年ぶりだろうか
社会人になってから、こんな気持ちを抱いて女性とのデートを待ちわびたことなどなかった気がする
そして、もうすぐ退社時間に差し掛かった頃
僕のいる課に中島がやって来た
「チャンミンっ！」
「おいおい……。仕事しろよ、お前」
「もう終わったんだよっ！
チャンミンっ！逃がさねーからなっ！」
「しつこいな……お前」
「営業なめんなっ」
「いい加減にしてくれよ……」
どっかりと僕のデスクに寄りかかった中島は
まるで、僕を監視するようにこちらを睨んでいる
「はぁ〜。今週も終わったぁ……」
パソコンを閉じると、疲れた目をぎゅっと瞑って
眉間を摘まんだ
「じゃあ、行くかっ！」
待ってましたとばかりに、中島は僕の鞄を持って抱え込んだ
「明日デートなんだ。帰らせてくれよ」
「えっ！？デッ！デートっ！？」
「あぁ。帰って疲れをとりたい。明日のために」
そう中島に言うと、僕は鞄を返せとばかりに片手を差し出した
すると中島は、この手を払うように体を反らした
「顔だけでも出してくれよ？な？」
今度は下手に出て、僕の顔色を伺ってくる
「顔出したら直ぐに帰れそうにないから嫌だ」
そう言って、また鞄を返せと催促すると
中島は鞄を持って逃げた
「あっ！おいっ！中島っ！」
急いで中島の後を追う僕
「返せよっ！鞄っ！」
「ヤダネ！」
「ふざけんなよ……」
そんな言い合いをしていると、向こうから
いつもはもうこの時間にいないはずのAさんの姿があった
僕はすかさず声をかける
「Aさんっ！」
「……？あ、チャンミンさん。お疲れさまです」
中島を置いて、Aさんのもとへ向かうと
この時間に何故いるのかを聞いた
聞けば、これから月に一度のオフィスの床のワックスがけだという
「大変ですね。この時間から」
「あ、いいえ。仕事ですので」
うっすらと微笑んでそう言った彼女
僕と話していても数えるくらいしか表情を緩ませない彼女の
貴重な笑顔だった
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裕(プロフ) - Yse_kさん» そう、そう、そう。居るんですよねーw (2019年11月8日 13時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
Yse_k(プロフ) - はい、はい、はい。この手の女いますよねー。 (2019年11月8日 11時) (レス) id: 30e15faa16 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - ともさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに何かが起こります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - みぃなさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに企んでおります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 裕さん。こんにちは。なんだかなんだか起こりそうな。胸騒ぎが…。。楽しく読ませていただいています。ありがとうございます！ (2019年11月4日 12時) (レス) id: 8360f041ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2015年11月2日 2時
