9 家入硝子 ページ10
-少し前
｢2年の家入硝子。お前と同じ反転術式の使い手だ。｣
高専に来てすぐの頃、私と同じ反転術式を使える2年生の家入さんを
夜蛾先生から紹介してもらった。
分からないことがあれば月見の聞け、と言い残して保健室から出ていった夜蛾先生
残された家入さんによろしくねと声をかけ飲み物でも出そうと立ち上がる
「月見先生っておばあちゃん先生の代わりなんでしょ？なんだっけ？ぎっくりだっけ？」
背中越しに話しかけられてコップを取りつつ後ろを振り向くと
机の上に広がる資料にペラペラと捲っている家入さん
クールそうに見えたから、フレンドリーに話しかけてきて少しびっくりした
「私あの人苦手だったんだよね〜、でも新しい先生が来てラッキーって思った」
美人で可愛いし、と付け加えて、コップに注いだお茶を受け取った家入さん
「反転術式ってさ使える人全然いないじゃん？頼れる人居なすぎて正直萎えてた」
確かに反転術式を使える人は少ないし
私も頼るところが少なくて散々苦労した過去を思い出す
『私でよければ力になるし何なら、術式の使い方だけじゃなくて医師免許とる勉強とかも教えよう…か？」
自分の経験と重なってか気づいたらそんなことを口走っていてハッとする
あぁぁ…、何この人初対面なのに教えようか？とか笑笑とか思われたらどうしよう！
｢えっ、いいんですか？」
一瞬沈黙があってそわそわしてたら、ガタッと立ち上がる家入さん
『…う、うん。今のうちに勉強して始めておいてもいいかなって。多分これから私の解剖の見学とかもしてもらうようになるから
家入さんにとっても、私にとってもありがたいからさ。』
「先生にとっても？」
『そそ、この先の呪術界を担う人材をしっかり育てないとね！』
「…げ、なんかそういうのプレッシャーなんですけど。」
両手でバッテンを作ってむり〜と口を尖らせている
そんな嫌がることないのに
まぁ、気軽に始めようかとテーブルに乗っていたお菓子も勧める
「あー、私甘いの好きじゃないんで…」
『そうだったのね、なら今度から違うものも用意しておくね」
「ありがとうございます」
ほうほう、彼女は甘いものが苦手と。
家入さんのことが少し知れて嬉しい
「ところで先生、ここって灰皿あります？」
『なんで？誰が吸うの？』
「私」
『…誰が吸うの？』(2回目)
「だから私」
『……え？？？なんて？？？』
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ナミ - コメント失礼します。すごく面白いです。更新頑張ってください！ (2023年4月7日 22時) (
レス) @page9 id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
かおりこ - ま、まさかここで止まるとか、続きを楽しみにしています。 (2021年1月2日 20時) (レス) id: e8981eeecf (このIDを非表示/違反報告)
* - 悟かわえぇ………… (2020年12月30日 17時) (レス) id: 6b62d85a2c (このIDを非表示/違反報告)
むにえる(プロフ) - ななさん» 閲覧ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです泣 (2020年12月19日 13時) (レス) id: 4151135e98 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 気持ちがズッキュンズッキュンしました。ありがとうございます！！！ (2020年12月18日 1時) (レス) id: c6d407f0e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たろち | 作成日時：2020年12月11日 0時
