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疑いの目 ページ17

「え、まさか僕が成人したからって…。」


 
自分を抱きしめるようにして少しずつ後ずさる五条にAは呆れた顔をする。


 

「馬鹿を言うな。お前の体なんぞ興味はない。

そういえば、体にものを刻むのに抵抗はないか?」


 

「き、刻む…?」


 

「そうだ。
私の力を渡すにはこれが手っ取り早いかもしれんと思って試していた。

ちなみに、小屋の隣の木に呪文?を刻んだところ、私の呪力が一気に流れ込み、一瞬で破裂した。」

 

爆発の様子を手で再現し、真顔で言ってのけるAに、今度は違う意味で身の危険を感じている。


 

「い、いやぁ、もうちょっと試行を重ねてからでいいんじゃないかな…?」

 

唇の端がヒクヒクとひきつっている。


 

カニ歩きでできるだけ刺激しないように出口に近づき、残り数歩で出られるところまで来た時、
急いで背を向けて扉に向かって開けようとした。


が、扉は無常にもピクリともしない。

 


「誰が逃げていいと言った?

安心しろ。試行を重ねて"一瞬"ではなくてじわじわと呪力を送れるようになった。」



いつのまにかすぐ後ろに立っていたAの気配を感じて、冷や汗を流しながらゆっくりと振り返る。


 

「『縛威』」




その瞬間、五条の体は浮き上がり、背もたれのある椅子に座らされた。
そして、光の枷が両手両足にまわり、動かせなくなる。


 

「大丈夫、大丈夫。痛くないさ。

すこーーー、っしばかりくすぐったい思いをするだけだよ。」


 

ドス黒い笑みを浮かべて一歩ずつ近づく。
手にはいつの間に取り出したのやら、筆のようなものが。




筆先からおぞましい密度の呪力が流れ出ている。


 

(ああ、これ死ぬかも。)


 

五条悟、人生で2度目の、死を予感した瞬間だった。


 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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ダイフク(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチについては明言出来ないのですが、楽しんで読んでいただけるかな、と思います…。更新頑張ります! (2022年3月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ダイフクさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。更新楽しみにしています。 (2022年2月25日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - みきゃるさん» コメントありがとうございます!とても遅くなりましたが、これから少しずつ更新して行くのでよろしくお願いします! (2022年2月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
みきゃる(プロフ) - とても面白いです!!!ゆっくりでもいいので、続きが見たいなと思ってしまいました、、! (2021年12月12日 10時) (レス) id: 22cb947882 (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - 雪マカロンさん» コメントありがとうございます!早く高専生たちを登場させられるように更新頑張ります! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 9e9c718d28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ダイフク | 作成日時:2021年1月11日 15時

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