てっきりうっかり ページ16
「やっほーA、久しぶりー。」
どこかの和菓子屋の紙袋を手に、入ってきたのは五条だった。
あれから安否確認もせず、領域に近づく者もいなかったため、勝手に死んだと思っていたAは、眉間に皺を寄せ、固まった。
「え、何その顔。
普通は
『よくやった弟子よ…。』
とか言うもんじゃないの?
術式複雑すぎてわかんなかったからとりあえず、鳥居壊しちゃった。」
テヘ、と舌を出して愛嬌をみせる五条だが、Aは依然としてフリーズしている。
「お、お前、生きていたのか!
私はてっきり死んだとばかり…。
というか、弟子にした覚えはないぞ。」
「あー、あの時ね、
体は動かなかったけど、意識は少しだけあって、Aが来たのもわかったよー。
あれで死んだと思ったんだ。」
小屋小さくしたのね、と言いながら靴を脱ぎ上がってくる五条を凝視する。
「…Aには寂しい思いさせるかな、って思ったけど、もっと強くなってからじゃないと合わせる顔がないって思ってここに来なかった。」
軽く視線をやっただけで、前に見た時とは桁違いの力を有していることはすぐに分かった。
「寂しいなどと思うわけがないだろう。」
「あ、ニヤけるのこらえてる?
やっぱり僕が戻ってきて嬉しいんでしょ、
ウンウン、わかるよ。」
大袈裟に頷く五条を蹴り倒して、広げられた和菓子を手に取る。
「てかさ、今日僕の二十歳の誕生日だよ?」
2人の間に沈黙の時間が流れる。
「…だから何だ?」
「いや、Aが次二十歳になったら来いって言ってたからさ、
盛大にお祝いでもしてくれるのかと思ったんだけど。」
「ああ、言ったな、そんなこと。」
「え、それだけ?」
そうですが何か、といった顔でいるAに五条はわざと驚いた様子を見せる。
「二十歳になった時に、お前に力を与えようと思って言ったまでだ。
まあ、お前が領域に入ってこれれば二十歳になる前でもよかったがな。
入るための基準は高く設定していた。」
淡々と話しているのを五条は子犬のような顔をして聞いている。
「が、今のお前を見る限り、
私の期待以上だ。苦労したのだな。
よくやった、悟。」
そう言って笑ったAに見惚れる五条。
しかし、その直後に発せられた言葉に目が点になる。
「よし、では服を脱げ。」
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ダイフク(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチについては明言出来ないのですが、楽しんで読んでいただけるかな、と思います…。更新頑張ります! (2022年3月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ダイフクさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。更新楽しみにしています。 (2022年2月25日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - みきゃるさん» コメントありがとうございます!とても遅くなりましたが、これから少しずつ更新して行くのでよろしくお願いします! (2022年2月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
みきゃる(プロフ) - とても面白いです!!!ゆっくりでもいいので、続きが見たいなと思ってしまいました、、! (2021年12月12日 10時) (レス) id: 22cb947882 (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - 雪マカロンさん» コメントありがとうございます!早く高専生たちを登場させられるように更新頑張ります! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 9e9c718d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダイフク | 作成日時:2021年1月11日 15時