絡まりアイ (ｔ) (ページ31)

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たい風に長い時間さらされていた私は、疲れもあったのか、翌日に熱を出してしまった。

風邪をひいて寝込むだなんて久しぶりで、熱で働かない頭ではどうしたらいいか分からず、常備薬を飲んでひたすらに寝ていた。

体はだるくて辛いけれど、そのおかげで昨日の玉森くんのことを考えすぎなくて済むことにどこかホッとしていた。

夜になって少し熱が下がってきた頃、今日一日全く見れずにいたスマホを確認すると、

［着信玉森裕太]

まさかの履歴に目を見開く。

昨日の彼の冷たい目を思い出して、胸がぎゅっと痛くなる。

その時、スマホが震えて着信を知らせた。

玉森くんだ。

ドキドキしながらも電話に出ることにする。

『もしもし…』

『A？！よかった…もう出てくれないかと思った…。』

『そんなこと…。えっと、どうしたの？』

『あのさ、いま家？少し、出てこれる？』

躊躇いがちに、でもはっきりとした彼の声がする。

『あ…ごめん、今日はちょっと…。』

『ほんとにちょっとでいいんだけど、昨日のことさ、直接謝りたくって…』

『え？』

『昨日、ほんとうにごめん。顔見て謝りたい。』

『…。』

『…実はさ、いまAの家の近くにいる。』

『え！！！』

『5分でいいから、会えない？』

『っごめん。やっぱり今日は会えない。』

『……。もう、俺のこと嫌いになった？そりゃ、そうか。急にあんな態度とったんだもんね…。』

一段低くなった少し寂しげな玉森くんの声に焦って理由を説明する。

『ち、ちがくて！あの、今日風邪引いてるのっ』

『え？…風邪？』

『玉森くんにうつすわけにいかないから、だから、今日は会えないって意味で。会いたくないとかじゃ、ないよ…。』

『風邪って大丈夫なの？！うわーそれなのに俺、こんなしつこくゴメン！てか、なんか足りないものない？買ってくよ？』

『大丈夫だよ。ありがとう。』