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それは、玉森くんがお手洗いに行っているときに起こった。
お酒がまわって噛み倒す横尾さんを藤ヶ谷さんがイジるから、「まーまーよくあることですよ」って肩をたたいて少し慰めた時だった。
「Aちゃん優しいっ!」と言って横尾さんが突然私にハグをしてきたのだ。
私がビックリして硬直してる間も横尾さんは、ぎゅぅぅっと腕の力を緩めずに「そーだよね、よくあるよねぇ。」と舌ったらずな甘えた声で耳元でしゃべっている。
落ち着いた静かなイメージの横尾さんから発される、とろんとした声になんだかキュンとしてしまった。
まぁよくある酔っ払いだなぁ、と気を取り直した私は、横尾さんの背中に手を回し、ポンポンとたたきながら宥めた。
「そうそう、よくあるよー。大丈夫だよー。」
なんだかうにゃうにゃ言ってるけれど、酔っ払いの戯言はもう言葉にはなっていない。
あはははは!と急に笑い声が聞こえたかと思うと、藤ヶ谷さんが写真を撮っていた。
「これは後で渉に見せないとな(笑)」
それと同時に、スッと扉が開いたかと思うと、玉森くんが立っていた。
「は??!!」
ギロッと私をひと睨みし、横尾さんを私から引っぺがす。
「横尾さん!!ちょっと!何やってんの!!ガヤさんも!笑ってないでこの人もって帰ってよ!!」
「はいはーい。ほら、わた、帰るよー。」
藤ヶ谷さんが半分寝ている横尾さんを起こして立たせる。
「Aちゃん、ごめんね。このお詫びはまた今度するね。」
藤ヶ谷さんは軽くウインクして、横尾さんを半ば引きずるようにして去っていった。
横尾さんは笑顔で手を振っていた。
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作者名:kainaniak2 | 作成日時:2019年7月21日 1時