絡まりアイ (ｔ) (ページ1)

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「アイスが食べたい…。」

仕事を終え家に着いた瞬間、突然大きな欲望に襲われた。

残念ながら冷凍庫には求めるものはなく、近所のコンビニに向かうことにした。

人通りの少ない住宅街、いつもは子供たちの声が溢れる公園の横の道を歩いている時に、背の高い男の人が前から歩いてきた。

(うわースタイルいいなー) とすれ違いざまにチラッと盗み見ていると、彼の上着のポケットからカードがパサッと落ちるのが見えた。

男の人はイヤフォンで音楽を聴いているようで気づかない。

私はとっさに振り返って落ちたカードを拾い、小走りで彼を追いかけた。

「あの！お兄さん、落としましたよ…！」

駆け寄りながら声をかけると、長身の彼が振り返った。

その瞬間、普段の運動不足が祟ったのか、私の足は道路の小さなくぼみに引っかかり、前のめりに倒れた。

「…わっ…！」

転ぶ！と痛みを覚悟した瞬間、がしっと抱きとめられた。

「…あっぶね。大丈夫ですか？」

「え…あ、はい、大丈夫…です…。す、すみませんっ」

びっくりしてフリーズしてしまったが、長身の彼に支えられてることに気づき、謝罪を発するとともにパッと離れようとした。

だが、ピンッと何かが引っかかったようで彼から10センチも距離を取ることはできなかった。