CHUDOKU (ページ6)

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ん？

家？

あれ？2人で会うようになってから、家行ったことあったっけ？

宅飲みはよくしてた。

渉の料理は美味しいし、家は広くて防音だし。

でも、うん、ひとりであいつの家に行くの初めてだ。

なんだか緊張してきたところで、彼の家の最寄駅についてしまった。

ふぅーーっと静かに大きく息を吐いて、律儀に約束通り連絡をいれてから、ご所望の酒を買いにコンビニへ向かった。

会計をして外に出ると、[コンビニで待ってて。］ってメッセージがはいっていた。

なんか追加の買い物でも頼まれるのかと思って電話をかけてみると、ワンコールですぐに出た。

『何ー？なんか買い足しするものあんの？』

『いや、ないけど、いま、迎えに行ってんの。』

『えっっっ？！別に家の場所覚えてるし大丈夫だよっ！』

『いや、普通に夜道ひとりで歩かせるわけないでしょ。いーから待ってろよ。もう着くから。』

またこちらの話を聞かずに電話が切れる。

本当に、突然の女の子扱いはやめてほしい。

こっちがどんな気持ちかなんて、あいつは全く分かってない。

はぁ、とため息をついて待っていると、2～3分で彼がやってきた。

「お疲れ～。」

完全に部屋着のてろてろのゆるい服で、萌え袖で手を振りながら近づいてくる。

「お疲れ。わざわざありがと。」

隣に並んで歩き出すと、スッとコンビニ袋を持ってくれる。

こんなさりげない優しさもずるい。

「酒、買いすぎじゃない(笑)？重いんだけど(笑)」

「もうっいいでしょー！飲みたい気分だったのっ！」

「なんかあったの？」

「会社でちょっとねー週始めからヤなことばっかりよ。だから、ご飯めっちゃくちゃ楽しみにしてるから。」

「おう、いい感じに仕上がってんよ。」

「てゆうか、渉、もう飲んでる？酒くさい」

「ははっバレた。俺も、仕事で色々あって、ヤケ酒ヤケ料理。」

いつも通りの会話。

さっきまで家行くの緊張するとか思ってたのが嘘みたいで、あっという間に家に着いてしまった。

流石に家に上がる時は、ちょっと緊張したけど。