CHUDOKU (ページ4)

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CHUDOKU - Ki 4 ページ4

私にグラスを渡して、左腕をソファの背に乗せる。

宏光の腕が私の肩から首に触れそうで触れない。

その距離感にドキドキしてくる。

「…酔ってる？顔、ちょっと赤い。」

俯いていた私の顔を覗き込みながら、彼が言う。

酔っ払っているわけではないけれど、こんな気持ちで赤面しているなんて言えるわけないから、頷く。

「あー、うん、ちょっと酔ってるかも…」

そんなことを言いながら火照りを冷ますために、口をつけたグラスを一旦テーブルに置いた。

「ねぇ、部屋の電気消してみていい？」

「…えっ…？！な、なんで…」

「俺も、酔ってきたから、」

じっと私を見てくる宏光はふんわりと少し挑戦的に笑いながら、でも瞳だけは真剣で、その提案と表情に鼓動が高鳴る。

ピッ。

リモコンで電気を消す音と、彼の左手が私の後頭部に触れるのはどっちが早かっただろう。

暗闇で彼は見えない。

ゆっくりと髪に差し込まれる指が、優しく頭を撫でる。

手が何往復かした時、クイッと頭の向きを彼の方へ向けさせられた。

暗闇に慣れてきた瞳と、その近さで彼の顔はぼんやりと見えた。

目が合う。

そのどこか熱っぽい視線に耐えきれず、目を逸らす。

たぶん私も同じような目をしているはず。

このまま目を合わせていたら、ヤバイ。

それはよく分かっているのに、もう一度だけあの目を見たくて、彼の気持ちが知りたくて、視線を上げてしまった。

次に目を合わせたら、もう、そらせなかった。

彼の右腕が、私を求めて動く。

ふと触れた熱を持った手を、握り返した。

彼の顔は、吐息がかかるほど近くて、ぎゅっと頭に置かれた手に少し力が込められて、それを合図に目閉じた。

ふわっと触れるだけのキス。

そして彼の唇が私の唇を柔らかく喰む。

私もそれに応える。

どれくらいそうしていただろう、唇が離れた瞬間、両腕で抱きしめられた。

「好きだよ。」

耳元で、低く甘い声がした。

その響きが私を幸せで満たす。

彼にも同じ幸せをあげたくて、背中に腕を回しぎゅっと抱きしめ返して「私も、好き。」と告げた。

もう、気持ちは抑えられなかった。

彼のキスが耳に、首筋に落ちる。

触れられた部分から、熱くなる。

幸せで満たされているはずなのに、もっともっとと欲が出る。

中毒のようにお互いを求めながら、2人の吐息は混ざり合い、視線が絡み合い、夜が深まっていく。