愛し愛され。3【Fischer's】 (ページ18)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:114,218 hit

続きページ18

motoki side

そういう俺にAは涙を流しながらうん、うん、と頷いた。

「…モト、キ……」

「…ん？」

「最後に、別れる前、にギュッて……抱き締めて…？」

「うん……」

俺は吸い込まれるようにAを抱き締めた。

…前抱き締めた時はAはまだ元気だったな。

俺の涙がAの病院の服に染み込む。

「…モト、キ。」

掠れたAの声が耳元で聞こえる。

「…最後に、キスして……」

「んっ……んぅ……」

俺はAに答えることなくAの唇に食らいついた。

久しぶりの、キス。

…キスってこんなに切なくなるものだっけ。

何度も角度を変えてキスをする。

本当は離したくない。

離したくない。

神様は意地悪だ。

「モトキ…も、私駄目、みたい。」

「……A。」

「…永遠に愛してる。」

「…私、も。ずっと、愛してる。」

「…あり、がとう。モトキ。」

そう微笑んで眠りについたAがそのあと目を覚ますことはなかった。

ー 1年後ー

「A。会いに来たよ。ただいま。」

Aのお墓に花を生ける。

「…俺、まだAとの約束、果たせなさそう。」

「…でも、次Aに会うときは果たしてみせるから。もう少し、待ってて。」

『…もー。すぐにおじさんになっちゃうよ？』

「えっ…？」

Aの声が聞こえたような気がした。

「…A。おじさんになる前に頑張る。」

俺はそういってAのお墓をあとにした。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

いかがでしょうか！
まず、長くなってしまいすみません！
亡くなるシーンも入れてしまいましたが…
嫌だったら書き直しますので遠慮なくおっしゃってください！
この話は自分で書いてて切なくなりました笑
直してほしいところなどございましたらコメント欄にてお願いします！