#３ ページ5
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「トントーン……？」
そーっと書記長室に入れば、トントンは気持ちよさそうに寝返りをうって寝ていた。
よかった。まだ寝ているようだ。
書類を置いて、トントンの髪をさらりと撫でる。
サラサラな髪だ。
指と指をすり抜けるトントンの髪で少しだけ遊んでいると、苦しそうに唸るので起こしてしまったかと不安になるが、夢を見ているようだ。
時々笑顔になるトントンに、釣られて口角が上がる。
「…いつもおつかれさん」
ぼそりと呟き、仕事をしようと部屋を出る。
＿途端、パシッと手首を掴まれる。
トントンだ。起こしてしまった…？
「ん………グルさん今甘味禁止令やろ…何食ってんねん…」
「…グルッペン甘味大好きやもんなあ」
「おい…コネシマシャオロン…壁壊すなや…っ」
「…そして内ゲバ」
ほんまに生粋の苦労人やな、トントンは。
掴まれてる手をそっと解こうとすると、また寝言が聞こえてきた。
「…A……、お前どこ行くねん……っ」
「！」
どこ行くねん、か…。
「ほんま、どこ行くんやろなAは」
優しくトントンの手を離し、部屋を後にした。
.
廊下を歩いていれば、向かいからオーバーオールを着てニット帽を被った男が歩いてきた。
彼は私を見つけるなり、一瞬嫌な顔をするが挑発的な顔をして私に話しかけてきた。
「よぉ無能〜、お前ちゃんと仕事しとるん？
…大先生より無能とかマジいる意味ないで？」
その目の奥には、明らかな嫌気と殺意。
そして、遠回しに伝わる「出ていけ」という意味。
＿ほんと、嫌われてしまったなぁ。
自傷気味に笑っていれば、シャオロンは嫌そうに「なにわろとんねん」と私を睨みつけた。
「なんでもないよ。ごめんごめん」
「は？じゃあ笑ってんじゃねえよ」
「ごめんね」
シャオロンは、不機嫌そうに舌打ちをするとどこかへいってしまった。
＿シャオローン！あっそぼー！
＿飛びつくなやA！重い！
＿女の子にそういうこと言う？この不人気！！
＿おぉん！？なんやと！？
あぁ、こんな会話してたっけなぁ。
名前だって、最近は呼ばなくなったし、私を見る目も以前と違って鋭くなった。
……だめだめ、切り替えないと。
私は頬を叩いて仕事に向かった。
***
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そあ - とても素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。今まで見た事ない結末で、終始己の感情を揺さぶられながら見ていました。言語化ができないくらい本当に感動して涙が止まらなかったです。改めて、こんなに素敵な作品を創り上げていただきありがとうございま (2023年4月16日 9時) (
レス) @page50 id: 631f5adca0 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 読み終わった頃には涙でびしょびしょでした…。号泣…。ありがとう…。 (2023年2月4日 7時) (レス) @page50 id: fdfca7d6d9 (このIDを非表示/違反報告)
うなん(プロフ) - この作品が作られた時から知っているのに今読んでもあまり泣かない私でもとても泣いてしまいます… (2022年8月23日 23時) (レス) @page50 id: 1526234c9f (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 他人を不幸にして自分は幸せになる綺麗話か (2022年8月10日 18時) (レス) @page48 id: 12da5077e2 (このIDを非表示/違反報告)
四季 - 泣きました(((とても楽しく拝見させていただきました！泣きました(((とにかく号泣で(((素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年7月12日 16時) (レス) id: b733f218de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らある
| 作者ホームページ：http://kain00765467/yuki.pearl.//
作成日時：2020年3月23日 15時
