#１５ ページ17
エマside
頭を手を置いたきり、動かないトントン様に恐る恐る顔を上げてみれば、優しい目付きで見つめられているじゃないか。
なんだなんだ……！！？
びっくりして「あの…」と声を発すれば、はっとしたのか彼は素早く手を引っ込めて、高級そうな椅子に腰をかけた。
「そ、そういえば、君は確かあいつの隊員やったな…」
「はい。A様の部下のエマと申します」
「ほうか…大変やろ、あいつの部下やなんて」
ぼそりと呟かれた言葉が耳に入り、私は思わず目を見開いた後、顔を顰めてしまう。
幸い、電卓と書類を交互に見ていて忙しいトントン様は私の顔の変化に気付くことなく、ひたすら紙上にペンを走らせる。
この人も相当なワーカーホリック拗らせてるなぁ。
脳裏に隊長を思い浮かべながら、山積みになった書類を一枚手に取った。
＿あぁ、隊長の字だ
部屋で別の仕事をしているであろう隊長の顔を思い浮かべながら、トントン様の言葉を聞き返した。
「大変、とはどういうことでしょうか？」
「…ん？言葉通りやで？」
「……」
「辛くなったら言いや？俺が何とかしたるよ」
ぽん、とまた頭に手を乗せられる。
＿なにも、知らないくせに
黒い渦が心を支配し、イライラが増す。
辛くなったら？
その原因はあんた達だろう。
大変やろ？
お前らのせいで大変なのはむしろ隊長の方だ。
＿全部、お前らのせいなのに…ッ
「…失礼しました」
「おん、ありがとうなぁ」
目を細めて手を振ってくるトントン様に礼をして、部屋を後にする。
私もまだまだだ。
先輩や、隊長だったら、ポーカーフェイスでいられるだろう。
でも、私にはできない。
だって、
「……大好きな隊長侮辱されて平気な顔できるほど、まだ人間できてない」
決めた。私は＿＿
隊長が救われるのであれば、私は何でもする。
生命？そんなの隊長に捧げてみせる。
元々、この生命は捨てるものだった。
それを、昔隊長に救われてからはあの人のために生きてきた。
＿君、どうしたの？
＿…
＿…綺麗な目を持っているんだね
＿ほら、私の髪とオソロイだ
もし、この国を敵に回してしまっても、
「隊長のためなら」
＿構わない。
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そあ - とても素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。今まで見た事ない結末で、終始己の感情を揺さぶられながら見ていました。言語化ができないくらい本当に感動して涙が止まらなかったです。改めて、こんなに素敵な作品を創り上げていただきありがとうございま (2023年4月16日 9時) (
レス) @page50 id: 631f5adca0 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 読み終わった頃には涙でびしょびしょでした…。号泣…。ありがとう…。 (2023年2月4日 7時) (レス) @page50 id: fdfca7d6d9 (このIDを非表示/違反報告)
うなん(プロフ) - この作品が作られた時から知っているのに今読んでもあまり泣かない私でもとても泣いてしまいます… (2022年8月23日 23時) (レス) @page50 id: 1526234c9f (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 他人を不幸にして自分は幸せになる綺麗話か (2022年8月10日 18時) (レス) @page48 id: 12da5077e2 (このIDを非表示/違反報告)
四季 - 泣きました(((とても楽しく拝見させていただきました！泣きました(((とにかく号泣で(((素晴らしい作品をありがとうございました！！ (2022年7月12日 16時) (レス) id: b733f218de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らある
| 作者ホームページ：http://kain00765467/yuki.pearl.//
作成日時：2020年3月23日 15時
